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アフガニスタンの歴史と文化 世界歴史叢書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 明石書店/ |
発売年月日 | 2005/04/25 |
JAN | 9784750320700 |
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アフガニスタンの歴史と文化
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商品レビュー
4.3
3件のお客様レビュー
現在のアフガニスタンに相当する地域の歴史について、金石併用時代のムンディーガク遺跡から2001年のタリバン体制の崩壊までを描く決定版ともいうべき本だけれども、その分近現代史の分量が薄い印象を受けた。マーティン・ユアンズの『アフガニスタンの歴史』(明石書店、2002年)の方が分量は...
現在のアフガニスタンに相当する地域の歴史について、金石併用時代のムンディーガク遺跡から2001年のタリバン体制の崩壊までを描く決定版ともいうべき本だけれども、その分近現代史の分量が薄い印象を受けた。マーティン・ユアンズの『アフガニスタンの歴史』(明石書店、2002年)の方が分量は相対的に少ないものの、近現代のアフガニスタンという国がどういう国なのかがわかりやすい。 本書で興味深かったのは、それまで存在しなかったアフガニスタンの官僚機構の形成が1880年代に始まり(411頁)、それと同時にイスラームの聖職者のイデオロギー官僚化(人々をイスラームの名の下に国家に従わせる役割を持つ公務員化)が進んだ(414-415頁)との事実であった。「概していうならば、アフガニスタンにおいてイスラーム教の地位は強化されたが、伝統的で、宗教的な指導者たちの地位は徹底的に弱められた。イスラーム教は国家の補助的な存在となった。」(本書415頁より引用)。明らかに、当時アフガニスタンを支配したアブドゥッラフマーン・ハーンはアフガニスタンを国民国家に変えようとの意志を持っていたのであろう。本書や類書が語る通り、20世紀を通して共和制や共産主義体制への移行を通してその試みは続けられたものの、1994年のタリバン勝利によって破綻した。 読んでいて気が重くなるアフガニスタンの歴史が伝えることは、アフガニスタンの多くの為政者が目指し続けて結局達成できなかった国民国家の形成以外の形で、平和で安定した秩序を模索する必要性なのではないか。少なくとも私は、アナキズムの課題でもある国民国家によらない地域や社会の安定を、アフガニスタン以外の国や地域に住む人間として模索することの必要性を改めて感じた。本書477-478頁には、共産主義体制時代の1981年にハザラ人出身のパルチャム派の共産主義者、スルターン・アリー・ケシュトマンドが首相に任命されたことが、パシュトゥン人の反共産主義武装闘争の原因の一つであった旨の記述がある。アフガニスタンの歴史上、最も原理原則的に国民国家建設を求めた共産主義体制は、国民としての平等を追求する立場から差別され続けてきた少数民族ハザラ人を権力の地位に着けたが、歴史的に支配民族だったパシュトゥン人からのその措置に対する反発が存在したという事実に、陳腐な表現ながらも民族問題の深刻さと国民国家による解決の限界を改めて感じざるを得なかったのである。
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ようやっと読むことができた本。 色々な集団が彼の地にやってきては生活を築き、それを守るために闘い、敗れたものは去っていくか、息を潜めて暮らさざるを得ない。その出入りの激しさに驚嘆させられた。 著者の豊富な知識と、翻訳者の丁寧な仕事が、700頁を超える大作であっても、詰まること...
ようやっと読むことができた本。 色々な集団が彼の地にやってきては生活を築き、それを守るために闘い、敗れたものは去っていくか、息を潜めて暮らさざるを得ない。その出入りの激しさに驚嘆させられた。 著者の豊富な知識と、翻訳者の丁寧な仕事が、700頁を超える大作であっても、詰まることなく読み終えることができる要因である。
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[ 内容 ] 中央アジア、中東そしてインド亜大陸と威信、富、征服、宗教的帰依を求め人びとが通過したアフガニスタン。 その地勢的特徴を踏まえ民族集団の移動、文化・生活におよぶ先史時代から現代までの歴史を、考古学はじめ様々な言語による史料を駆使し縦横に論じる [ 目次 ] 序文 第...
[ 内容 ] 中央アジア、中東そしてインド亜大陸と威信、富、征服、宗教的帰依を求め人びとが通過したアフガニスタン。 その地勢的特徴を踏まえ民族集団の移動、文化・生活におよぶ先史時代から現代までの歴史を、考古学はじめ様々な言語による史料を駆使し縦横に論じる [ 目次 ] 序文 第1章 ヒンドゥークシュ山脈 現在のアフガニスタン/ヒンドゥークシュ山脈/南西アジアにおけるアフガニスタンの位置/自然環境/農業と牧畜 第2章 アフガニスタンの諸民族 パシュトゥーン人/パシュトー語/パシュトゥーンの部族的構造/パシュトゥーン人の系譜/パシュトゥーン人の移動/パシュトゥーン人の生活/アフガニスタンのパシュトゥーン人/トルコ系民族集団/タージーク人/山岳タージーク人とイスマーイール派/ヌーリスターン人/バローチ人とブラーフーイー人/ハザーラ人/アイマーク人/少数民族集団 第3章 曙の時代 金石併用時代/初期青銅器時代/中期青銅器時代/インダス文明 第4章 インド=イラン語族の到来 インド=ヨーロッパ語族とインド=イラン語族/ステップ地帯の青銅器時代/インド=アーリア人/中近東の資料/インド=イラン人以前/ゾロアスター(ザラスシュトラ)/イランの文化と宗教 第5章 考古学とインド=イラン人 バクトリア=マルギアナ考古学的複合体/マルギアナとの類似性/バクトリア=マルギアナ文化の背景/対外接触/編年/バクトリア=マルギアナ文化とインド=イラン人サーン朝の藩王/キオン人/エフタル/突厥/玄奘 第11章 イスラームの到来 アラブ勢力の拡張/南部における戦闘/ザーブリスターン/東アフガニスタンのトルコ系王朝とインド系王朝/美術品/碑文/ハラジュ族 第12章 イラン系の王朝 ニームルーズ/バルフのノフ・ゴンバド/サーマーン朝/ガズナ朝/ガズナ朝時代の芸術と文化/シャーナーメ/ゴール朝とホラズム・シャー朝/ゴール朝の遺物 第13章 モンゴル人 チャガタイ・ウルス/ティームール/ティームールの後継者たち 第14章 アフガニスタン王国の建国に向かって ウズベク人/バーブル/ムガル朝とサファヴィー朝の間で/アフガン王国の勃興/パシュトゥーン族によるサファヴィー朝の打倒/ナーディル・シャー/カンダハールの陥落 第15章 サドーザイ朝 アフマド・シャー・ドゥッラーニー――彼の功績/アフマド・シャーとその王朝/王国の衰退/アフガン国家の崩壊/バーラクザイ朝 第16章 英国との戦い 第一次英・ア戦争/いまだ定まらぬ運命/終局/ドースト・ムハンマド・ハーンの二度目の統治/シェール・アリー/第二次英・ア戦争 第17章 アブドゥッラフマーン・ハーン朝 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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