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志ん朝の高座
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志ん朝の高座

京須偕充(著者), 横井洋司

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志ん朝の高座

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2005/10/01
JAN 9784480873507

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2024/08/24

▼写真集です。古今亭志ん朝さんが落語を演じている、「高座姿」の。言ってみれば歌手が好きなあまりに、歌ってる姿ばかりの写真集を買う、と言った趣向です。どんだけ好きなんだ、って呆れられますね(笑)。言い訳をすると、写真集なんですが、京須さんのエッセイがついている。この本オリジナルの。...

▼写真集です。古今亭志ん朝さんが落語を演じている、「高座姿」の。言ってみれば歌手が好きなあまりに、歌ってる姿ばかりの写真集を買う、と言った趣向です。どんだけ好きなんだ、って呆れられますね(笑)。言い訳をすると、写真集なんですが、京須さんのエッセイがついている。この本オリジナルの。一応、ちょっとは読み物なんです。(さすがに正直に言うと、そのテキストが無かったらこの本は買っていません) ▼京須さん、というのは京須 偕充(きょうす・ともみつ)さんという方で、レコード会社・ソニーの社員さんだった人です。で、若い頃からずっと落語の録音段取りをやる仕事をされていた。言ってみれば日本最大手のレコード会社の社員さんだったからなんですが、その過程で(恐らく)多くの落語家さんの信頼を得た。で、2024年現在はもう82歳なんです。長生きされた、ということも大きな要因でしょうが、もともと恐らく落語がお好きで造詣深く、ある年ごろからはもう「落語評論家」としてご活躍をされています。  この京須さんが、古今亭志ん朝の最初の、そして最高の落語音源も収録した担当者さんだったんですね。そんなこんなで、志ん朝さんともそれなりに思い出もある。 ▼ただもちろん、志ん朝さんは死して尚(いや、死して後に一際…)カネになる商品です。志ん朝さんについての文章は、ムック、雑誌、単行本、各種発掘音源特典、エッセイ、などなどで食傷するほどに「作られて売られて」います(僕のような人間が買うからなんですが……)。  当然ながら京須さんも、もう何度も何度も何度も何度も、求められて志ん朝について書かれています(そしてそれをこちらも何度も読んでいます)。なので「前に読んだなあ」という内容もあるんですが。  それにしてもこの本は、写真以外は京須さんの文章だけなので、いってみれば「たっぷり」と書かれている感じでした。中でも、 <あまりに名人だから若いけど録音したい、音源商品にしたい京須さん> VS. <まだ早い、それほどの芸じゃない、などなどと不愛想に煮え切らない態度で何年も保留する志ん朝さん> という構図。恐らく別段友人付き合いをしていない以上は、その攻防がいちばんの思い出でしょうから。そこをちゃんと描いていて、その煮え切らなさ含めて、志ん朝というヒトを聖人化せずに、それでもその芸への愛情をきっちり表現している文章は、なかなか美味でした。 ▼京須さんももうかなりなご高齢。お亡くなりになると、またまた「昭和の落語の記憶」が無くなっていきますね。新しいものが出てくるからには、当たり前のことなんですが。記憶は受け継いでいきたいものです。

Posted by ブクログ

2009/01/15

「芸ってものは消えるからいいんです」そう言って頑なに録音を拒んでいた志ん朝だったが、後に唯一それを許したのが、当時ソニーミュージック学芸プロデューサーだった京須偕充氏。そのおかげで今私たちは、志ん朝の数々の落語をいつでもどこでも聴くことが出来る。しかしCD化されていない、もしくは...

「芸ってものは消えるからいいんです」そう言って頑なに録音を拒んでいた志ん朝だったが、後に唯一それを許したのが、当時ソニーミュージック学芸プロデューサーだった京須偕充氏。そのおかげで今私たちは、志ん朝の数々の落語をいつでもどこでも聴くことが出来る。しかしCD化されていない、もしくはする意味の無い話、ここでは速記として「首提灯」「試し酒」が乗せられている。CDとして意味がないとは、無音状態が長く続いたり、その所作や仕草を実際見ないと楽しめない話だそうだ。では速記に表しても注意書きが多すぎてむつかしいところだが、なんと速記文の上に写真が載っている!!まるでパラパラ漫画のように、一連の動作が続いている。すごいです。まるで高座を見ているよう。そうですこの本は、写真家横井洋司氏との共著で、いくつもの話から選りすぐりの志ん朝がぎっしり。高座に向かって歩いているところ、羽織を脱いでいるところ、または表情だけを集めた志ん朝の百面相。撮りためた写真は五千枚にもなり、今回はその一部ということらしいが、どの写真を見ても、志ん朝に対する思いが伝わってくる。写真を見ていたら、その話が聴きたくなってくる。

Posted by ブクログ

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