都筑道夫少年小説コレクション(4) 妖怪紳士

都筑道夫(著者), 日下三蔵(編者)

• 販売会社／発売会社: 本の雑誌社
• 発売年月日: 2005/10/15
• JAN: 9784860110505

商品レビュー

2012/11/21

小学生のときに気になった一冊が朝日ソノラマの『妖怪紳士』。中学生の頃に、都築道夫のショート・ショートにハマり、ますますこの『妖怪紳士』が気になったが、すでに店頭で見ることはなかった。。。その後の再発も知らず、いまやっと想いを果たした。いや〜〜〜〜、面白い！なかなか唐突な展開が随所に見られるが、少年誌に連載され、一回の分量が限られていながら毎回ヤマ場を入れなければ行けないという制約ゆえ、致し方なかろう。それを差し引いても、非常に面白い！　手に汗握る大活劇♪

2006/03/01

まず｢妖怪紳士｣から。
毎回山場を設ける必要性のある週刊連載というスタイルのため、どこを切り取ってもアクション、アクション、アクションの連続。
妖怪VS妖怪紳士の知力、技巧の限りを尽くした戦いは、大人の目から見ても大興奮させられる。
登場する妖怪も、伝統的なタイプ、アレンジを加えたタイプ、センセーのオリジナルと多彩だし、それぞれが非常に魅力的。
週刊連載にありがちな設定上のミスや伏線の回収忘れなども、一通り読んだ限りでは見つけられない、と言うか気にならない。
まあ、ラストがあっさり駆け足なのは制約上しかたないことか。

続いて｢妖怪紳士　第二部｣。
登場する少年の名前が変わってしまっているのが少々もったいない気もするが、第一部の設定を生かした続編なのはやはり嬉しい。
こちらは最初こそ謎の異次元妖怪とこちらの世界の妖怪との戦いという続編にありがちな展開ではあったが、終盤いきなり全く別物のストーリーになるのが驚き。
最初の設定なんなんだよ！みたいな。
魅力的だし、とても面白いのだけど、その点がちょっと気になった。

最後が｢ぼくボクとぼく｣。
かなり複雑な設定と展開で、ジュブナイルでここまでやるかと思わせる。
さらにこちらも終盤になってちゃぶ台返しとも言えるすさまじい転換が待っており、かなり驚く。
完成度としては……最初の設定のままで引っ張って欲しかったかな、とも思うんだけど。