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塵よりよみがえり 河出文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2005/10/20 |
JAN | 9784309462578 |
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塵よりよみがえり
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塵よりよみがえり
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商品レビュー
3.7
20件のお客様レビュー
無数の煙突を持つだだ…
無数の煙突を持つだだっ広い屋敷に住む人間の子ティモシー、同居人は、エジプトのミイラ「ひいが千回つくおばあちゃん」や「夢を見ながら眠れる者」一匹のネズミと一匹のクモ等・・・。レイ・ブラッドベリらしいファンタジー。ティム・バートンとかアダムスファミリーっぽいかな?
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ミイラのおばあちゃん…
ミイラのおばあちゃん、心を自由に飛ばす魔女セシー、鏡に映らない夫婦、たったひとりの人間の子ティモシー。「一族」の集会が始まります。ブラッドベリ作品を読んできている人なら、これを読んで登場人物にピンとくるかもしれませんね。長い構想期間を設けただけあって、仕上がりは上場。最後にティモ...
ミイラのおばあちゃん、心を自由に飛ばす魔女セシー、鏡に映らない夫婦、たったひとりの人間の子ティモシー。「一族」の集会が始まります。ブラッドベリ作品を読んできている人なら、これを読んで登場人物にピンとくるかもしれませんね。長い構想期間を設けただけあって、仕上がりは上場。最後にティモシーが下した決断。なんとも切なく、そして暖かく、そして離れがたい気持ちを抱きました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
小高い丘の上に建つ屋敷に暮らす人ではない何かの老夫婦に拾われた少年ティモシーが、その何かの一族と別れるまでに過ごした最後の時間と回想を描く。比喩を多用した独特の文体で、読み慣れるのに少し時間がかかった。 どうやら、この一族は、幽霊の存在を信じ、畏れる人間の「信心」によって存在が保たれているようで、数千年の時代を生きることも、死ぬこともなく長らえてきたが、いよいよ信心を持たない人間が増えたことによって、住める場所が少なくなっている。「ひいが千回つくおばあちゃん」は、自分たちのため、一族について書き、語り伝えてくれる人間として、屋敷に住む唯一の人間、10歳のティモシーに、一族の歴史を語り始める。 そうした経緯を考えると、物語の最後、屋敷が焼失してから、ティモシーが、「ひいが千回つくおばあちゃん」(ネフと呼ばれるミイラ)を博物館に持っていき、「ここが最も安全な場所」だと言い、「1日の1回、話しかけてほしい」と学芸員に頼む際、自分のことを本当に信じてくれるかどうかを繰り返し確認するシーンなど、ティモシーと一族の関係を象徴していて、好きである。はじめ、自分も一族と同じように、生きてもおらず、死んでもいない者になりたいと言うティモシーが、屋敷が焼け落ちるにあたって、「ずっとみんなを見てきて、もしかしたら、人々がいつも生きてきたのとまったく同じように生きたいのかもしれないと思ったんだ」と語るのに対して、ネフが背中を押すシーンとかも好きである。 彼らは、知られすぎてしまっても、誰からも知られなくなってしまっても、消えてしまう。それゆえに、断片的に語られる、一人一人の一族の物語には、どことなく悲哀がある。 一番切なさがあったのは、オリエント急行に乗る「不気味な客」である。信心のない人間たちに囲まれることで、今にも死にそうな「不気味な客」は、事情を読み取った看護師の機転によって、一命を取り留める。歴史的に幽霊を描いた小説を朗読したり、子どもが、幽霊を信じる?、と聞かれて、信じると大きな声で返事をしたりするのを聞き、客は元気になっていく。しかし、客が元気になったとき、それに手を貸した看護師は、死んでしまう。霊と人間の関係を考えさせられた。 ティモシーの存在は、物語の中でも、特別である。彼だけは、人間であるまま、彼らを知り、彼らを語り伝えることができる。
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