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石油の終焉 生活が変わる、社会が変わる、国際関係が変わる
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石油の終焉 生活が変わる、社会が変わる、国際関係が変わる

ポールロバーツ(著者), 久保恵美子(訳者)

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石油の終焉 生活が変わる、社会が変わる、国際関係が変わる

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社/
発売年月日 2005/05/30
JAN 9784334961817

石油の終焉

¥110

商品レビュー

4.5

5件のお客様レビュー

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2022/12/30
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※このレビューにはネタバレを含みます

2005年時点での石油の将来について論じた本。実際のところ、2022年現在ではシェールオイルの採掘技術が上がったことで世界最大の産油国は中東からアメリカに移り、石油依存体制は変革されるどころか相も変わらず継続されているのだが、当時の石油に関する事実と技術状況をまとめ、「石油に頼る生活は将来、成り立たなくなる」という問題提起をしたことには大きな意義がある。 序盤は、石炭に代わって石油が台頭した歴史、石油地政学などについて触れられる。中盤以降は石油以外のガスや代替エネルギーの将来性について。後半はエネルギー安全保障や次世代エネルギー経済について触れ、将来のエネルギー確保やエネルギービジネスの発展可能性について予見している。 特に終盤の12章「動かざるアメリカ」では、エネルギー政治のプレイヤーの一つとしてアメリカを挙げ、当時の大統領であるブッシュが石油産業から支援を受けているために代替エネルギーに対して消極的であること、既存のエネルギー体制やビジネスを維持したいという思惑があるために国民に対してもエネルギーについて無知、無頓着であるように仕向けていると指摘し、政治的指導者と石油が癒着するとどのような悲劇が起こるのか、ということを痛感させられる。 エネルギー環境や、石油を取り巻く政治経済の状況は、当時も今もそれほど変わっていない。しかし、新たな石油が採掘されるようになったことで、石油にまつわる様々な問題がすべて先送りにされ、既存の課題が当時も今も無視され続けていると思われることには強い危惧を感じる。 石油に依存せざるを得ない世界に生きている以上、せめて課題意識だけでも持ち続け、既存のシステムに依存し過ぎない世界を考えていかなければいけない、と思う。

Posted by ブクログ

2022/08/15

ポールロバーツ氏2冊目。 本書は石油を題材に、アメリカを中心としたエネルギー情勢について多面的に書かれている。 石油の価格にしても、代替エネルギーにしても、とにかく政治とは切っても切れない関係だと言う事はよーくわかった。まさか、価格まで供給量や産油量を調整しているとは…。 代替エ...

ポールロバーツ氏2冊目。 本書は石油を題材に、アメリカを中心としたエネルギー情勢について多面的に書かれている。 石油の価格にしても、代替エネルギーにしても、とにかく政治とは切っても切れない関係だと言う事はよーくわかった。まさか、価格まで供給量や産油量を調整しているとは…。 代替エネルギーについても手放しに喜べる事でなく、下手をすれば倒産したりする会社もあるなど、確かに変わる事によって少なからず悪影響はあるのだなと感じた。 あと、ハイブリッド車が普及してきたのは喜ばしい。良い未来に向かっていると思う。

Posted by ブクログ

2013/12/04

石油に依存した現代のエネルギー問題に警鐘をならしている一冊。本書の優れている点は一方的にこれはダメ、あれはダメと言っているのではなく、その根本的な問題をきちんとあらわにし、解決策を提案しているところにある。また、盲目的に善だとされがちな代替エネルギーや再生可能エネルギーの問題もし...

石油に依存した現代のエネルギー問題に警鐘をならしている一冊。本書の優れている点は一方的にこれはダメ、あれはダメと言っているのではなく、その根本的な問題をきちんとあらわにし、解決策を提案しているところにある。また、盲目的に善だとされがちな代替エネルギーや再生可能エネルギーの問題もしっかりと指摘し、これらが重要であるということは変わりがないが、問題も知っておくべきであるとしていて、客観性を貫いている。500ページを超える大著であるが、日本でもエネルギー問題が鬱積している今、これを読めば根本的な問題が浮かび上がってくるだろう。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 具体的には以下の通り。 日々恐ろしい量が世界中で消費されている石油。この産油量がピークを迎えつつあるという。楽観論者はまだまだ見つかっていない油田があるというが、そういった油田にある石油の量はあまり多くはなく、実際理論上の数値であることも多い。また技術的に採掘が困難な場所にあることが多く、石油の枯渇問題を先延ばしにする程度の問題解決しかしないという。 そこで次世代エネルギーとして太陽や風力を利用した再生可能エネルギーや水素燃料エネルギーが注目されているが、これらは石油に比べれば高価で効率も悪く、石油の代替エネルギーとなるにはまだまだ時間がかかると指摘。やがてはこれらに替えていかなくてはならないのが確実であるが、それは今から少しずつ行われなければならず、危機が訪れてからの急速なエネルギー変換は、今石油で成り立っている政治的な立場が根本から覆されるため甚大な混乱を招くと述べている。 特に国民のエネルギー危機音痴や企業利益優先に立つ政治のためにエネルギー問題が遅れているアメリカについて、この国が変わればいかに世界を変えることができるか、ということを後半で強く訴えている。 本書は東日本大震災以前に書かれた本であるが、この災害であぶり出された日本政府と電力会社との癒着はアメリカの問題とよく似ている。政府は票をたくさんもらえる企業向けの政治を優先させるため、正しいことができないのだ。 石油燃料は有限であるという問題の他に、地球温暖化の問題も大きく関与している。代替エネルギーがいろいろと選択できる時代になってきて、技術提供も行われてはいるものの、発展途上国からすれば、いくら代替エネルギーを使えと先進国に言われても、国民が貧しいこれらの国は代替エネルギーを導入したところで高額な電気代を払える能力が国民にはなく、そのプロジェクトは失敗すると指摘。安価で安定した石油燃料を使いたがるのは当然であるといいます。これで発電した電気ですら払うことができない国民がいるとのこと。 このように良かれと思ってやってる技術提供がうまくいかない根本的な問題を指摘する著者のレポート能力は本書のそこらじゅうに散りばめられており、なかなか進まない代替エネルギーへの転換の理由も明らかになる納得の一冊。日本のこともちらほらと出てきて、技術力ではトップクラスの日本も変わらなければ世界は変わらないとしている。 政治力を活かして一丸となって取り組まなければならない大きな問題。さて、日本の政府がやってることといえば・・・

Posted by ブクログ

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