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エドマンド・ウィルソン批評集 社会・文明(1)
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エドマンド・ウィルソン批評集 社会・文明(1)

エドマンド・ウィルソン(著者), 中村紘一(訳者), 佐々木徹(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 みすず書房
発売年月日 2005/05/24
JAN 9784622071402

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2013/03/09

エドマンド・ウィルソンはモダニズム文学と象徴主義について論じた『アクセルの城』、レーニンによる社会主義革命に至るまでの革命家群像を描いた『フィンランド駅へ』で夙に有名なアメリカの批評家である。また、アメリカに亡命したナボコフを支援し、その著書の出版に尽力したこともよく知られている...

エドマンド・ウィルソンはモダニズム文学と象徴主義について論じた『アクセルの城』、レーニンによる社会主義革命に至るまでの革命家群像を描いた『フィンランド駅へ』で夙に有名なアメリカの批評家である。また、アメリカに亡命したナボコフを支援し、その著書の出版に尽力したこともよく知られている。後に考え方の違いから論争になるが、家族ぐるみの親密な交際の様子は先に出版されている往復書簡集で読むことができる。 百科全書的批評家と言われるウィルソンだが、大学に進んだときから「人文学のすべての主要部門についてのある程度のことを知」りたいというのが、彼の野望であった。プリンストン大学で文学を専攻し、コロンビア大学の夏期講座で社会学と労働問題について学んだ後、軍に入隊するまでの期間、ワシントンに出て政治ジャーナリズムの世界に身を置く。 ジャーナリズムの世界は現場第一である。まず現場に立ち、自分の眼で状況や人々の様子を観察する。その上で自分の考えを述べる。その経験が以後彼の書くものを特徴づけることになる。ウィルソンの批評は、何を読んでもまるで、その時、その場にいるような臨場感が際立つのだ。特にその場の情景や人物を活き活きと表現する筆力は、まるで小説を読んでいるかのように思うほどである。それでいながら書かれた物には、冷静な批評眼と社会正義を信じる熱い感情が共存している。 1920年代から60年代にかけて書かれた物の中から、主に社会に目を向けたルポルタージュ風のエッセイを集めて時代順に編んだものである。当時のアメリカは、1929年10月のニューヨーク株式市場大暴落に始まる世界恐慌の真っ最中。ユナイテッド・ステーツ銀行の倒産、ナショナル・シティ銀行頭取で投機のスーパーマンともて囃された〈サンシャイン・チャーリー〉の不正取引疑惑、不況下で顕わになった神話的人物ヘンリー・フォードの素顔と、その実態を暴いていく切り口の辛辣さと言ったらない。 一方では、移民や低賃金労働者、アメリカ・インディアンといった社会的弱者の置かれた劣悪な労働環境、住宅事情に対する憤りに溢れた告発がある。御用組合や共産党、最終的には大統領にまで至る権力を敵に回しての炭鉱労働者の孤立無援のストライキに対するウィルソンの眼差しは終始温かい。 民主党支持の本人はリベラルを自称するが、どう見てもバリバリの社会主義者の張る論陣である。当時のアメリカのリベラル派というものの寄って立つ位置がよく分かる。ソヴィエト連邦崩壊以降、雪崩を打つような社会主義の退潮で、すっかり元気をなくしてしまった左翼であるが、平和主義、マイノリティに向ける視線、拝金主義への批判と、この陣営の力によって社会がかろうじて均衡を保っていたことがあらためて思い出される。 半世紀も前に書かれたものだが、戦争について、アメリカ合衆国について、ロシアという国の文化や国民性について、今読んでも啓蒙されることの多い刺激的な論考が多い。映画嫌いだと自分でも書いているウィルソンが、チャップリンやエイゼンシュテインの映画についてかなりの紙幅を割いて述べているのも興味深い。現代社会について疑問を持つ人、リベラル派の旗色の悪さにじれったい思いを抱いている人にお薦め。なし崩し的にすべてが崩壊していくような時代の気分に負けて目を瞑るのでなく、酷い時代だからこそ、現場に足を運び、冷静に事実を見極める必要のあることをあらためて思い知らされる一冊。

Posted by ブクログ

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