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なまみこ物語・源氏物語私見 講談社文芸文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2004/04/12 |
JAN | 9784061983663 |
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なまみこ物語・源氏物語私見
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なまみこ物語・源氏物語私見
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商品レビュー
4.2
5件のお客様レビュー
「なまみこ物語」と「源氏物語私見」、昔は別々の本だったが、今は一冊になっているのね・・・。 「なまみこ物語」の方は、おどろおどろしいタイトルだけど、偽巫女のような意味らしい。 握った権力を盤石たらんとする藤原道長の容赦ない陰謀に、若き一条帝と中宮定子の愛はどうなってしまうのか、中...
「なまみこ物語」と「源氏物語私見」、昔は別々の本だったが、今は一冊になっているのね・・・。 「なまみこ物語」の方は、おどろおどろしいタイトルだけど、偽巫女のような意味らしい。 握った権力を盤石たらんとする藤原道長の容赦ない陰謀に、若き一条帝と中宮定子の愛はどうなってしまうのか、中関白家の命運は?と、ほぼ全編通じて目が離せません。道長の攻撃がクライマックスに達するところを、電車の中で読んでいたんですが、思わぬ展開に落涙してしまった。 同じ著者の「源氏物語」現代語訳同様、言葉の使い方など雅やかで、馥郁たる平安宮廷の世界に浸れます。 また、本作は著者が子供の頃に読んだ鎌倉か室町期の写本?と思われる古い書物「生神子物語」の内容を記憶を辿って綴ったという体裁が取られており、(実際のところは巻末の解説を読んでください)、その凝った作りがますます物語の魅力を高めている名作である。
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雑感。 ■なまみこ物語 ・抑制の筆致 易しくない文章に耐えながらじりじり読んでいると急に面白くなる。え?いまなにかたいへん重要なことが起こらなかった?と思って数行戻って読み直してみると、深遠なる策謀が成し遂げられたところだったり、思いもよらぬ裏切りによるどんでん返しのシーンだ...
雑感。 ■なまみこ物語 ・抑制の筆致 易しくない文章に耐えながらじりじり読んでいると急に面白くなる。え?いまなにかたいへん重要なことが起こらなかった?と思って数行戻って読み直してみると、深遠なる策謀が成し遂げられたところだったり、思いもよらぬ裏切りによるどんでん返しのシーンだったり。恋人の背信だとか、愛の奇跡だとか、なかなかにドラマチックな要素がてんこ盛りなのに、アップもなし、BGMもなし、のようなストイックさ。不親切といえばそうだが、その媚びなさにしびれる(なんて、ちょっと背伸び)。 ・話の内容 も、すごく面白かった。まとめると、悪役道長の策謀と、それに負けなかった定子と一条天皇の無垢な愛、という陳腐なワードになってしまうが、政争に勝ったのは道長・彰子サイドだけど果たして本当の幸せとは?という問いかけも良かった。行国が道長のもとを去っていくところもなんか好き。 ■源氏物語私見 ・だらだら古文 源氏物語的文体というものがあるらしい。谷崎潤一郎が「文章読本」のなかで日本文学の文章を、源氏的と非源氏的とに分類しているらしい。なんとなくわかる。やっぱりそうなんだ。もうちょっとそこんところわかりたい。味わいたい。 ・萌えのすべてはもうここにあった 源氏物語をどう評価するのか、そこには千年の議論の蓄積があるわけだけど、今回これを読んで私が感じたのは、「腐女子も乙女も千年変わってないんだな」でした(円地文子がそう言ってるってことではないですよ)。光源氏がどう魅力的に描かれているかということはもちろん、夢のように素敵な源氏もいいけどその好敵手でありじゅうぶんに高スペックそれでいて努力家でもありながら話の都合上いつも源氏の引き立て役にさせられてしまい泥をかぶったり悔しがったりするものの決して陰気になることなく「次は負けないぜ!」と爽やかな笑顔で去っていく頭の中将もいいよね、みたいな感じとか。源氏の美貌を褒めて「女にて見たてまつらまほし」というところを、源氏を女に見立てて、こんな美しい女性がいたらすばらしいという意味にとらえる説と、自分が仮に女としてこんな美しい源氏を見たら恋してしまうだろうという意味にとらえる説とがあるらしいのだがいずれにせよ男が男の美しさを褒めており、男同士のそんなドキッもいいよねな感じとか。
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ドナルド・キーン氏の自伝に出てきたものである。タイトルの「なまみこ」という音にとても新鮮な、そして不思議な響きを感じた。「なまみこ」とはいったい何であろうか。40年以上も前、著者の父の蔵書の中に日本文学者チャンバレン博士から引き継いだであろうと思われる数多の本の中の一冊であるら...
ドナルド・キーン氏の自伝に出てきたものである。タイトルの「なまみこ」という音にとても新鮮な、そして不思議な響きを感じた。「なまみこ」とはいったい何であろうか。40年以上も前、著者の父の蔵書の中に日本文学者チャンバレン博士から引き継いだであろうと思われる数多の本の中の一冊であるらしい。表紙には「奈万美古毛乃可太里」と万葉仮名で書かれていたそうだが、次頁に「生神子物語・栄華物語拾遺」とあるのを見て、初めて巫女についての話だと知ったのだという。 一條帝の御時に二人の后、定子、彰子がおり、それぞれに仕えていた清少納言と紫式部の確執はつとに有名だ。この「なまみこ物語」は栄華物語をベースに書かれているそうだ。栄華物語は彰子に仕えた女房によって書かれているから、彰子の父藤原道長一門の側から見た宮中を描いている。(ただ私はまだ栄華物語を読んでいない。) 栄華物語の原文をそのまま用いているところもあるという。しかしこの「なまみこ物語」は定子の側から見た一條帝の御代を描いている。二人の巫女の姉妹が登場し、道長によって宮中に送り込まれる。そしてそうとも知らずに道長の手先となり、定子や定子の実家である中の関白家一門の没落に手を貸すことになる。 栄華物語は道長の側から一方的に書かれているものだから、この「なまみこ物語」の作者はその反対の立場から書き残したかったのではないか。 原本は既に手元にないので記憶を頼りに書いたと筆者は言っている。少女の頃から数十年を経た後に、これほどしっかり記憶に残っているのだから円地氏の頭脳には敬意を表したい。ぜひこの「なまみこ物語」の原本が出てきてほしいと願う。
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