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狂気
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狂気

ハジン(著者), 立石光子(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2004/09/15
JAN 9784152085900

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商品レビュー

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2026/01/24

山寧大学の楊教授が、脳卒中で倒れた。夫人はチベットに赴任中、娘の梅梅は北京で医学部受験に追われている。愛弟子で梅梅の婚約者でもある僕(=萬堅)は、学部を取り仕切る彭書記から教授の付き添いを命じられた。病床で教授はうわ言を口走り、高潔で尊敬を集める人とは思えぬその言葉に、ぼくは驚く...

山寧大学の楊教授が、脳卒中で倒れた。夫人はチベットに赴任中、娘の梅梅は北京で医学部受験に追われている。愛弟子で梅梅の婚約者でもある僕(=萬堅)は、学部を取り仕切る彭書記から教授の付き添いを命じられた。病床で教授はうわ言を口走り、高潔で尊敬を集める人とは思えぬその言葉に、ぼくは驚く。どうやら経費の問題、不倫の疑い、何者かに強請られている節もあった。意識の混濁する教授に翻弄され、迫る大学院入試の準備も出来ず、僕の苛立ちは募る。折しも北京では自由を求める学生が、続々と天安門広場に集まっていた。 『待ち暮らし』 で、全米図書賞、PEN/フォークナー賞を受賞したハ・ジンの第二作。「僕」の一人称視点で描かれる本書のテーマはずばり、「何がまっとうで、何が狂っているのか。」 「誰が狂っているのかは、言うまでもない。教授だ。」確かに、最初はそうだ。調子っぱずれの歌を歌い、毛沢東への心酔を口にする。特に後者は、もし狂っているのでなければ、処分されかねない危険な言動である。だから普通は、教授の視点と自分のそれとを、切り離して考えられる。ところがここでは、先生の狂気の視点に、僕の正気の視点が引きずられる。 たとえ先生の娘と婚約していなくても、感謝と尊敬の気持ちから進んで看護を引き受けていただろう。(p9)(中略)先生はぼくがこれまで教わったなかで最高の教師で、詩学の分野における幅広い学識はいうにおよばず、学生の教育にも熱心だった。(p10) と書かれているように、萬堅には、先生の思想も生き方も心から信頼して来た過去があったからだ。 そして萬堅自体も、そもそも現実と折り合って生きていけるタイプではない。政治史の試験について、求められている答えを書くしかないんだから。と現実的な婚約者・梅梅に対し、彼は毎年、答えのいくつかは前の年とちがってる。とくに中国共産党の党史がそうなんだ。誰が権力を握るかによって、がらりと変わってくる-勝者が歴史を改竄して、敗者を犯罪者集団に仕立てあげようとするからと、試験の内容に事寄せて、現状への不満を口にする。  こういう下地があった所に、教授が病室で漏らすうわ言が、実は全くの嘘でない事が解って来る。すると、今まで見てきた出来事や人物が、全く別のものに見えてくる。この辺りから本作は、芥川龍之介『薮の中』のような、ミステリーの様相を呈する。虚言から真実が明らかになってゆく皮肉な展開を生み出し、両者の狭間に立つ萬堅(よろよろしている彼が、全てに於いて堅実という名前なのも皮肉だ)が、「本当に拠り所とするべきもの」を求めて、二つの視点を揺れ動く。そして僕という一個人の抱える混沌と葛藤が、物語序盤から遠景として登場してきた北京での大学生の暴動と、クライマックスにおいて遂にぶつかる。ここにおいて、先生Vs近親者というミクロな対立が、両者に関係する萬堅を通じて、学生=国民Vs軍隊=国家というマクロな対立に結びつく。そうなる事で、「狂っているのは先生か僕か」という問題が、「狂っているのは国家か国民か」という、あの天安門事件を見て、世界が抱いた普遍的な疑問へと繋がってゆく。このストーリーの収斂の仕方は見事である。  天安門事件当時、妻子を祖国に置いて、著者自身はアメリカにいた。老いさらばえて気のふれた老女と化した中国が、おのが命を長らえるために、わが子をむさぼり食おうとしている(p328)様を、彼はどのような想いで見ていたのだろうか。

Posted by ブクログ

2013/09/04

 いい小説の条件のひとつに、きちんと社会的背景が織り込まれていることが挙げられると思う。あまり、歴史をちゃんと勉強してこなかった私だが、この作品を読むことによって、天安門事件前後の中国のごく普通の人々(といっても主人公は大学院生なのでかなりエリートだが)の生活感覚を知ることができ...

 いい小説の条件のひとつに、きちんと社会的背景が織り込まれていることが挙げられると思う。あまり、歴史をちゃんと勉強してこなかった私だが、この作品を読むことによって、天安門事件前後の中国のごく普通の人々(といっても主人公は大学院生なのでかなりエリートだが)の生活感覚を知ることができた。たとえば、共産党に対してのリアルな距離感とか。  この作品のおおきなウエイトを占めるのは、主人公が、彼の婚約者の父であり、指導教官でもある教授の妄言を聴き続けるというシーンである。教授は高い業績を残し、指導熱心な人物であったのだが、脳の血管を詰まらせ倒れてしまい、そのときから本心(と主人公が解釈する)がダダ漏れの独り言を病床でつぶやき続けるようになる。  このことが引金となり、主人公は将来に疑問を抱き、大きく人生設計を変えることになる。が、彼の決断は困難からの単なる逃げなのか、それとも一理ある行動だったのか、なんともはっきりしない。しかし、そのグレーゾーンこそに、大義名分と私的な動機の間に揺れ動く心情の本質が描かれている気がする。

Posted by ブクログ

2013/02/10

自分の婚約者の父でもあり、大学院の指導教授でもある「楊先生」が脳血栓で倒れ、その看病を言いつけられたことから、主人公の人生に大きな転換が訪れる・・・。 正気を失って、自分の過去をうわ言で叫び続ける教授に、ただただ唖然として、ショックを受け、結局人生を誤ってしまう(?)主人公の純...

自分の婚約者の父でもあり、大学院の指導教授でもある「楊先生」が脳血栓で倒れ、その看病を言いつけられたことから、主人公の人生に大きな転換が訪れる・・・。 正気を失って、自分の過去をうわ言で叫び続ける教授に、ただただ唖然として、ショックを受け、結局人生を誤ってしまう(?)主人公の純朴さと、先生の恥も外聞もないうわ言の掛け合いがなかなか面白い。 この主人公、主体的に動いているようで、常に大事な意思決定や運命が他人に握られてしまっている、いかにも小市民。 進路は先生のうわ言に惑わされ、結果婚約者を失い、自暴自棄になって天安門事件に関わって学校を追い出される。そんでもってその一連の流れも、大学の学部長と書記の陰謀のうちという切なさ。 そうとぼんやり気づいても、主人公は立ち向かうでなく、ただただ受け身になりながらどうにか事態を改善しようとするも・・・すぐに状況を受け入れてしまう。 自分の人生を問い直す男の旅立ち・・・と帯に銘打っているが、そんな立派な旅立ちじゃありゃぁしない。 でも人生って、いつでも予想外のイベントで思いもしない方向に進むもの。実際は自分で運命を切り拓くなんて格好いい人間は少数で、世の中こんなもんなのかもしれない。

Posted by ブクログ

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