沙門空海唐の国にて鬼と宴す(巻ノ3)

夢枕獏(著者)

• 販売会社／発売会社: 徳間書店/
• 発売年月日: 2004/08/31
• JAN: 9784198618933

商品レビュー

2018/05/11

安倍仲麻呂が遺した手紙によって楊貴妃の最期の裏事情を知った空海。たびたび現れる謎の道士の丹翁や化け猫を操っている人物の正体も明らかになり、一連の事件の真実が見えてくるのだが、手紙はもう一通あるとわかり…
空海と逸勢がますます晴明と博雅みたいになっているが、仏法について空海が語る内容は興味深い。終盤、もう一通の手紙が登場して楊貴妃の最期の謎がまた少し明らかになり、いいところで終わっているので気になる。

2018/02/28

この間映画「空海」を観てきてがっかりして帰ってきたところだが、小説の方はいよいよ謎解きが始まりだした。しかし阿倍仲麻呂と高力士の残した書によって大方説明してしまうというちょっと安直な展開。ただ空海の説く密教の真髄には感心する、「空」が観察者がいるから宇宙は存在するという量子力学のような世界観で、シュレジンガーの猫のことを思い出したよ。あと残るは一巻ラストスパートかけるぞ。

2018/02/09

「人の尺度では、山や天地は量れぬのだ」
仏法について、人の理について、空海と逸勢との会話がいいです。
物語は佳境に入り、色々な事の絡繰りが見え始めてきました。
すぐに巻ノ四に行かなければ…