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“恋愛結婚"は何をもたらしたか 性道徳と優生思想の百年間 ちくま新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房/ |
発売年月日 | 2004/08/07 |
JAN | 9784480061874 |
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“恋愛結婚"は何をもたらしたか
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恋愛結婚を権力者が利…
恋愛結婚を権力者が利用する時、そこには大きな陥穽が生じます。
文庫OFF
明治期以降の「恋愛結婚」をめぐる言説をたどり、とくにそれが優生学と結びついて人びとの意識のなかに入り込んでいったことを明らかにするとともに、そうした思想がいまなおわれわれの恋愛と結婚についての考えのなかにも受け継がれてしまっているのではないかという問題を提起している本です。 性...
明治期以降の「恋愛結婚」をめぐる言説をたどり、とくにそれが優生学と結びついて人びとの意識のなかに入り込んでいったことを明らかにするとともに、そうした思想がいまなおわれわれの恋愛と結婚についての考えのなかにも受け継がれてしまっているのではないかという問題を提起している本です。 性や愛に関する言説の歴史をていねいにたどっており、興味深く読むことができました。その一方で、本書の議論がこんにちのわれわれに対して投げかけている問題に対して、いったいどのように向きあっていけばよいのかということについて、もう少し踏み込んだ議論が欲しかったようにも思います。たとえば独自の「生命学」を提唱している森岡正博は『生命学に何ができるか―脳死・フェミニズム・優生思想』(勁草書房)や『感じない男』(ちくま新書)などで、性や愛をめぐるフェミニズムからの問題提起を、みずからの感受性を問いなおすことを迫る、鋭い痛みを伴う問いかけとして受け止めたうえで、そこから手探りで問題を掘り下げようと試みています。ただ、森岡の方法はいささか無手勝流のきらいがあるので、著者のように近代以降の日本社会について幅広い知識をもっている論者が、ここで提起されているような問題をあらためて一人ひとりがみずからの問いとして引き受けていくためには何が必要なのかということを、積極的に語ってほしいように思いました。
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本書は明治期に西欧諸国から輸入したLove=恋愛の概念がどのように国家体制と関係したかに触れ、優生学と恋愛結婚がどのような流れで結びついていったかを紐解いた論説書である。 時代ごとの論客・活動家の言説(あるいはそれを研究した専門書)を参照しながらその変遷に触れ、丁寧に論説して...
本書は明治期に西欧諸国から輸入したLove=恋愛の概念がどのように国家体制と関係したかに触れ、優生学と恋愛結婚がどのような流れで結びついていったかを紐解いた論説書である。 時代ごとの論客・活動家の言説(あるいはそれを研究した専門書)を参照しながらその変遷に触れ、丁寧に論説している様には唸る他なかった。その慎重で丁寧な研究・論述には頭が下がる。 すでに述べたように、この書の中では引用している多くの研究が紹介されている。ジェンダーに関係する結婚の問題についての入り口には適した一冊だろう。 語り口の柔らかさも、学術書の硬い文体を敬遠してしまう層には大変助かるものである。新書として適している文体だ。 ふとした拍子に借りた本だったが、非常に面白い本だった。良い読書をさせていただいた。 星五つで評価したい。この方の著作はもう少し色々読んでみたい。
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