大江戸の正体

鈴木理生(著者)

• 販売会社／発売会社: 三省堂/
• 発売年月日: 2004/08/07
• JAN: 9784385360287

商品レビュー

2020/06/16

大江戸の正体 鈴木理生 三省堂

今までは日本の中心として出来上がった
江戸しか頭になかったけれど
岡崎から江戸という超田舎である
新しい地域にいきなり入り込んで
政治体系を整備することの難しさを
見ることができた
すごい手腕とあらゆる分野の
知識と知恵と人材に恵まれてなければ
出来ない相談だ

江戸の大火のほとんどが
放火によるものだと知ることもできた
世界の最先端を行く精神性の深さや
文化や学問の水準の高さも
江戸末期の外交についても
新たな視野を開くことができた

2020/03/22

江戸という都市のあり方を、住人、土地割、経済活動から明らかにしようとした労作。数字や、地図などの、根拠を挙げての論考であるので、説得力がある。
武家の使用人も、登城の際に必要な供揃えを日雇いで雇うとか、家来衆は江戸城に入れず門外で待つとか、知らないことも多くなる程と思う。
主人が出てくるのを待って篝火で暖まりながら、他家の家中と情報交換をし合っている小物連中なんて、小説に使えそうじゃ無いですか。
幡随長兵衛って、大きな武家も顧客として持つような人入れ稼業の親分だったのね。芝居の幡随長兵衛は侠客で旗本と対立してる設定だけど、旗本さんたちはお客様ってことじゃ無いですか。まあ、旗本ん家でも、バカ息子どもはいただろうけど。