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『ブレードランナー』論序説 映画学特別講義 リュミエール叢書34
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2004/09/25 |
JAN | 9784480873156 |
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『ブレードランナー』論序説
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映画の冒頭、ロサンジェルスの夜景を見下ろしている「碧い瞳」が映し出される。その碧い瞳の持ち主は誰かという魅惑的な謎を提示しながら、筆者は映画の文法を用いて、それを解いてゆく。筆者は『ブレードランナー』はフィルム・ノワールであるという。一般的にはフランスの暗黒街を描いた映画と解され...
映画の冒頭、ロサンジェルスの夜景を見下ろしている「碧い瞳」が映し出される。その碧い瞳の持ち主は誰かという魅惑的な謎を提示しながら、筆者は映画の文法を用いて、それを解いてゆく。筆者は『ブレードランナー』はフィルム・ノワールであるという。一般的にはフランスの暗黒街を描いた映画と解されるこの言葉を、「近代都市に起因する孤独と法と欲望の葛藤の寓話」だと別の章で定義してみせる。なるほど、頻出する夜の雨、逆光、たゆたう煙や湯気、サーチライト、ブラインド越しの光と影、たしかにフィルム・ノワールを彩るモチーフには事欠かない。 謎を解明する物語はオイディプスの悲劇に起源を持つ。オイディプスの物語は自己の出自を探索するメロドラマでもあった。メロドラマと推理小説は同じ起源を持っていたわけだ。その意味でフィルム・ノワールである『ブレードランナー』は、メロドラマであり、悲劇でもあるという二重構造を持っている。 そういいながら、筆者はフィルム・ノワールにはつき物の「殺し屋」でもあり、「刑事」でもある元ブレードランナーのデッカードを「主人公」と括弧づけで呼ぶことで、その正当性を留保する。たしかに、女を後ろから撃ち、女に命を救われ、最後には敵に助けられるデッカードは最後までいいところを見せることのない、いわばアンチ・ヒーローではある。 筆者の解釈によれば、デッカードが受け持つのはメロドラマの方の主人公で、悲劇の主人公は、生きる期限を4年と定められ、その運命に刃向かい荘厳な生を生ききるレプリカントのロイの方だったのだ。この映画を典型的な古典的ハリウッド映画だと位置づけながら、メロドラマの中に埋め込まれた悲劇の比重の重さ故に亀裂が生じているという筆者の指摘は説得力を持つ。 よく知られているように『ブレードランナー』にはプロデューサーズカット版とディレクターズカット版の二種が存在する。監督の意図を忠実に伝える後者の方が正統な位置を占めるだろうという観客の大方の予想を裏切り、筆者は前者の方こそが映画の文法から見て、首尾一貫していると主張する。そして、監督の意志を金科玉条の如く尊重する向きを「作者の死」という概念を用いて切断する。 ポップキリスト教神学や頻出する円環表象の解釈と、自身は図像学的表象と自由に戯れながら、デッカードの相棒ギャフの鶏とユニコーンの折り紙について、インターネット上に氾濫する解釈を不要な謎の解明と切って捨てるあたり、また、あえて断章形式で提示しながら、リニアに論を進めていく態度から見て、バルトを引用しながらも、どうやら筆者は他者には「テクストの快楽」を許さないらしい。少し長くなるが、蓮実重彦の『大江健三郎論』からメロドラマの定義を引用する。 メロドラマとは、距離の特権的な操作者としての作家がいずれは開示されるべき真実をめぐってその真実の在りかと意味とを一時的に隠蔽しうるもろもろの符帳を巧妙に配置し、その配置ぶりをたどりながら、解読すべき最後の記号への歩みを操作することで成立する距離と密着の戯れのことだ。 大学教授が学生相手に講義するというスタイルで通され、特権的な知を持つ者が、映画学の知識が詰まった抽斗を開けたり閉めたりしながら逆説を弄して無知な観客を引っ張り回すという嫌いがなくもないが、映画に関する蘊蓄は本物で、これはこれで立派な一つの物語になり果せている。この作品は、「『ブレードランナー』論序説」という物々しい題名を冠し、映画学特別講義という副題まで持つが、その実、映画『ブレードランナー』の本当の主人公は誰かという「真実」をめぐるメロドラマなのである。
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洋画「ブレードランナー」を題材にした映画論。 ストーリーに沿って展開される様々な演出、表現の意図への考察から、影響を及ぼし合った作品群も交えた映画史の流れにも言及していてかなり読み応えのある本だった。 漫然と見ているだけでは気付かなかった着眼点が多々あり、「ブレードランナー」とい...
洋画「ブレードランナー」を題材にした映画論。 ストーリーに沿って展開される様々な演出、表現の意図への考察から、影響を及ぼし合った作品群も交えた映画史の流れにも言及していてかなり読み応えのある本だった。 漫然と見ているだけでは気付かなかった着眼点が多々あり、「ブレードランナー」という作品と再び向き合ってみたいと感じさせてくれる本だった。その際は、書中にもあるように本書から得た観点を参考にしながらも、自分なりに作品への理解を深めていきたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ディレクターズ・カットやファイナル版を珍重する巷の傾向と違って、プロデューサーズ・カットを「解りやすい。監督版が優れているとは限らない」とするのは納得。 だけど読みづらい箇所が多く、そんな部分は跳ばし読み。なんでこう、もってまわrた書き方をするのか。
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