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納得の構造 日米初等教育に見る思考表現のスタイル
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東洋館出版社 |
発売年月日 | 2004/09/20 |
JAN | 9784491020211 |
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納得の構造
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
面白い。 教育現場における作文の書き順の違いを歴史や文化を背景に書かれている。日本流は時系列をベースとした起承転結。米国流は結論→because。 ビジネスエリートを量産するなら米国流が正解だろうけど、どっちが良いかとか変える必要があるかとかではなく「違う」ということを認識するだ...
面白い。 教育現場における作文の書き順の違いを歴史や文化を背景に書かれている。日本流は時系列をベースとした起承転結。米国流は結論→because。 ビジネスエリートを量産するなら米国流が正解だろうけど、どっちが良いかとか変える必要があるかとかではなく「違う」ということを認識するだけで良いと思う。
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どのような説明に納得するか。 それは文化の影響が大きいらしい。 日本は時系列で語り、アメリカは因果律。 日米の小学校で授業観察と実験を行い、筆者はそのような傾向を見つけている。 説得のスタイルの違いが異なると、能力に対する評価が大きく下がったりすることもあるという。 日米の小...
どのような説明に納得するか。 それは文化の影響が大きいらしい。 日本は時系列で語り、アメリカは因果律。 日米の小学校で授業観察と実験を行い、筆者はそのような傾向を見つけている。 説得のスタイルの違いが異なると、能力に対する評価が大きく下がったりすることもあるという。 日米の小学校の授業の様子が丹念に調査されていて、面白い。 日本は共感を軸にした理解を尊ぶ。 ある出来事を自分事と捉えることが求められ、それに関わる経緯全てを受け止めていく。 アメリカは分析を尊び、結果に対する貢献度が高いものだけを抽出する力を求める。 このスタイルは、アメリカの時間を効率的に使うことをよしとする価値観に裏打ちされている。 それが小学校の先生の声掛けにも観察されるというのに驚いた。 日米のスタイルの違いが上記のようなものとすれば、ついアメリカ流が「進んでいる」と理解してしまいがちだ。 しかし渡辺さんは極めて慎重に、一方的な価値判断を避けている。 さらに歴史的な経緯も検討し、過去には日本にも現在のアメリカのような叙述をよいとする価値観があったことなども挙げ、変化することも示している。 さらに、デュルケムを援用し、スタイル間の相互理解は可能だという。 こういう結論に至るとは思っていなかった! もう二十年ほど前の本だけど、読んでよかった。
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いやこれはすばらしい。 日米の叙述方法の違いを、かなり多角的かつ学術的に正確な視点からまとめた本。ページをめくるたびに「なるほど~」と、まさに「納得」させられる。 本書自体の叙述の仕方は極めて冷徹。 時折ちょっと日本に不利な書きぶりなんじゃないの、と思うこともあるけれど、基本的...
いやこれはすばらしい。 日米の叙述方法の違いを、かなり多角的かつ学術的に正確な視点からまとめた本。ページをめくるたびに「なるほど~」と、まさに「納得」させられる。 本書自体の叙述の仕方は極めて冷徹。 時折ちょっと日本に不利な書きぶりなんじゃないの、と思うこともあるけれど、基本的には努めて客観視しており、そこも好印象。あと安易に比較文化論などをぶたないところもいい。あくまで学術的。 白眉は、最初の四コマ漫画のあたりかなあ。 アメリカはまず今日の出来事を書いて、その原因に訴求する形で記述して、日本は時系列に書くってやつ。 うんうん、僕も絶対時系列で書くわなあ。あと理由説明のときに、物語を語るって話もまさにそう。 本当に勉強になるんだけど、一点つっこむなら、日本の文章の基礎は起承転結って話が自明のごとくでるのはちょい疑問。 自身の経験からもそう思うし、ここ数年で読んだ文章本でも、起承転結を勧めている本なんて見たことない。 教科書にも載ってなかったって本書にもあるし、とすれば、起承転結が日本の文章の基本形ってのは神話なんじゃないかなあ、て気がする。いやまともなエビデンスがあるわけじゃないんだけどね。
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