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遍路と巡礼の社会学
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遍路と巡礼の社会学

佐藤久光(著者)

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遍路と巡礼の社会学

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 人文書院/
発売年月日 2004/08/30
JAN 9784409540671

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2013/06/14

お遍路と社会学がどう関係づくのか、不思議に思って読みました。 社会学というタイトルから、難解な専門書ではないかと思いましたが、遍路のデータを詳細に集め、まとめ上げたものになっています。 統計不可に思えた遍路の実態が数値化されており、驚きます。 実際の数は、各寺で配布した朱印と各寺...

お遍路と社会学がどう関係づくのか、不思議に思って読みました。 社会学というタイトルから、難解な専門書ではないかと思いましたが、遍路のデータを詳細に集め、まとめ上げたものになっています。 統計不可に思えた遍路の実態が数値化されており、驚きます。 実際の数は、各寺で配布した朱印と各寺に納められた納札そして過去帳の件数が元となっていると思いますが、年齢や職業などはどんな風に調べ上げたのだろうと気になります。 四国八十八ヶ所のほか、西国・坂東・秩父といった三十三ヶ所観音巡りのことも取り上げられており、「遍路と巡礼」とした題名の意味を理解します。 礼所を巡るというと、まずは四国八十八か所遍路を連想しますが、歴史的にみると西国三十三ヶ所の方が古いということが意外でした。 西国三十三ヶ所は平安末期の十二世紀中頃に、四国八十八ヶ所遍路は室町から江戸時代にかけて成立したそうです。 観音巡りの三十三という数は、観音の変化の数からきているものですが、八十八はどこからだろうというのは、前から疑問でした。 その答えは諸説ありはっきりしていないものの、著者は「古代日本人が八を満数として聖なるものとみなしたからか、熊野辺地に見られる九十九王子に準じたもの」ではないかと述べています。 当時より、四国遍路と観音巡礼とではその意味合いが多少違っていたとのこと。 それは、それぞれのルートを見てもわかります。 各地の観音巡礼は、どこも都市や風光明美な場所を中心にした行楽の意味合いが強いものでしたが、四国遍路は苦行的性格が濃厚だったそうです。 それは現在でも変わりがありません。 西国巡礼は、お伊勢参りと熊野詣でに続けてスムーズに行えるようなルートに途中で変えられたことも知りました。 東国からの参拝者は、最後に京都見物をして帰途についたとのこと。 熊野詣でと西国巡礼を成し遂げた人は、町をあげての名誉とされたそうです。 日程も予算も相当かかるため、巡礼者の身分は、室町期には僧侶や武士階級など限られた動きやすい層の人が中心だったのが、江戸時代には経済的ゆとりのあった上層の農民層にまで広がったそうです。 観音巡礼の中でも興味深かったのが、秩父観音。 西国と坂東に比べて影が薄いと感じておりましたが、その二つと肩を並べて百観音巡りとされるまでに至ったのは、ひとえに秩父礼所連合会などによる巡礼の宣教活動が実を結んだからだとのこと。 自然発生ではなく、作為的なプロモーションあってのこととは思いませんでしたが、江戸から割と近いことと、全行程が90キロと短いことなどが人気につながったそうです。 かつては一世を風靡した遍路や巡礼ですが、神仏分離・廃仏毀釈の影響を受けて、相当な打撃を受けたこともデータとして語られます。 日本中に百観音霊場を模した観音霊場はできましたが、明治を境にさびれ、消滅してしまったものは枚挙にいとまがありません。 人々の仏教との向き合い方も変容してくるにあたり、どんどん巡礼者の数は先細りになっていると思いきや、戦争や経済成長期を経て、最近になってまたその数が増えているそうです。 これまでの物質的なものを求める志向から、精神的なものへ、人の志向が転換しつつあり、心が豊かさになったことの一つに、宗教文化への関心が含まれているからだとのこと。 今では宗教心もさることながら、自分を見つめ直すいい機会として巡礼を続ける人も多いのだとか。 歩き遍路が当たり前だった時代は変わり、今や車や観光バスで巡る人々も相当の数に上りますが、ヘリコプター遍路もあると知って驚きました。 バブル期を過ぎた平成10年の情報で、三泊四日で88万円。八十八ヶ所にちなんでの価格設定でしょう。 小さなお寺の周辺にヘリポートがあるとは思えず、空から寺院を見下ろしての参拝になるだろうことを考えると、複雑な気がします。 西国という呼び名は、江戸などの東国の巡礼者が多かったことからついた名称ですが、今では大阪府と兵庫県の巡礼者が多いそうです。 巡礼者は浄土真宗徒が多いというのが意外でした。 御朱印を出さない宗派である浄土真宗の巡礼者が全体の3割強となっているというのは、興味深い点です。  データを通して見えてくる、さまざまな巡礼者たち。 自分も興味がある分野なだけに、じっくりと読みました。

Posted by ブクログ

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