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クリスティーナ・ロセッティ(著者), 上村盛人(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 溪水社/
発売年月日 2004/02/20
JAN 9784874408070

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2009/09/01

「今から約百五十年前のイギリス」の「詩の好きな一人の若い女性」による「自伝的小説」。ただし、書かれたのは著者が19歳の時(1850年)で、彼女の死後3年を経て、1897年に初めて出版されたとの由。(以上、殊に鈎括弧内は「あとがき」より)。クリスティーナ・ロセッティ、という名前はず...

「今から約百五十年前のイギリス」の「詩の好きな一人の若い女性」による「自伝的小説」。ただし、書かれたのは著者が19歳の時(1850年)で、彼女の死後3年を経て、1897年に初めて出版されたとの由。(以上、殊に鈎括弧内は「あとがき」より)。クリスティーナ・ロセッティ、という名前はずーっと気になっていた。岩波の詩集(たぶん)を読んで好きになり「画家ダンテ・ロセッティの妹」と聞いて、イタリアの兄妹だと早とちりしたのは昔むかしのこと。それもご尤も、蓋し、彼女ら彼らのお父さんはイタリア人にしてかのダンテの研究家なのであった。それにしても、錚々たる兄弟姉妹。ちょっとした必要に迫られて、クリスティーナ・ロセッティの詩などを読み返したりしたのは、数年前。もっと早く、意識的に彼女の作品に出逢っていたら、その原詩に触れることができたら(少しだけ歯噛みした)。タイトル作の『モード』について。「自伝的小説」といっても19歳で書かれたこの作品、日記とか習作などと言われてもよさそうなものだけれど、これが小品ながらも珠玉の小説、本人16歳で詩集が「印刷」されているから処女作と銘打つこともできないし。これまでに知っているあらゆるものを総動員して、「何かである」とか「何かによる」とかいう範疇で括りたくなるし、それも色々とできぬではないが、すぐにそうしたがるのは、「色々と他を知った(つもりの)後追い」の浅はかか、とも思われもする。今の私に言えるのは、「私、ロッセッティが好きだなあ」ということと、兄ダンテその他も含めて「イギリスとイタリア」というのも「ある範疇」なのかも、ということ。「ダンテ、クリスティーナ、ロッセッティ」といった名と、これらの作品・詩・絵画、あるいはまた映画「眺めのいい部屋」などを思い起こします。 じっと耐えるのは、確かに、何かをするよりも勇気のいること。  何かをすれば、それはすぐ終わる。じっと耐えるのは、  永くかかるし、心はずっと苦しいのです。  毎日、毎日、このような経験をして暮らしていればよく判る。(この書冒頭のソネットより)。こういう詩を書く(書ける)少女、やはり名が気にかかるに相応しい。あとがきに案内もあるが、この著もまた原文に触れたい。

Posted by ブクログ

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