1,800円以上の注文で送料無料

書物の敵
  • 中古
  • 書籍
  • 書籍

書物の敵

ウィリアムブレイズ(著者), 高橋勇(訳者), 高宮利行

追加する に追加する

書物の敵

定価 ¥2,640

220 定価より2,420円(91%)おトク

獲得ポイント2P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 八坂書房/
発売年月日 2004/10/25
JAN 9784896948493

書物の敵

¥220

商品レビュー

4

7件のお客様レビュー

レビューを投稿

2015/12/02

 19世紀に書かれた書物の敵論。敵として火や水、ガスなどを取り上げ、文献を引用しつつ論を展開させる学術書ではあるけれど、とても親しみをもって読めた。それはたぶん、時代は違えど共通する本好きの気持ちやあるあるが詰まっていたからだと思う。「結語」に書かれてあることは特に心に響いた。改...

 19世紀に書かれた書物の敵論。敵として火や水、ガスなどを取り上げ、文献を引用しつつ論を展開させる学術書ではあるけれど、とても親しみをもって読めた。それはたぶん、時代は違えど共通する本好きの気持ちやあるあるが詰まっていたからだと思う。「結語」に書かれてあることは特に心に響いた。改めて自分の本棚に入っている本、図書館の本の取り扱いを考えさせられる作品。

Posted by ブクログ

2014/01/16

書物に害を及ぼす存在が網羅されています。 書誌学の本として大変優秀で、少し難い内容です。 又、1896年の訳書であるため、当時と現在の認識が違うものもあります。 とはいえ、書物を扱う者…いや、単なる読書好きにも大きな知識を与える一冊です。

Posted by ブクログ

2013/03/10

世の中には本の内容ばかりではなく、物体としての本が気になって仕方のない人たちがいる。そういう書物愛(ビブリオフィリア)に取り憑かれた人を愛書家と呼ぶが、この本の作者もその一人である。それだけではない。イギリス活版印刷の祖であるウィリアム・キャクストンの手になる本の蒐集者として知ら...

世の中には本の内容ばかりではなく、物体としての本が気になって仕方のない人たちがいる。そういう書物愛(ビブリオフィリア)に取り憑かれた人を愛書家と呼ぶが、この本の作者もその一人である。それだけではない。イギリス活版印刷の祖であるウィリアム・キャクストンの手になる本の蒐集者として知られ、後に書誌学として確立することになる学問の第一人者とも呼べる人らしい。専門の学者ではない。印刷を生業にする人である。 専門の学者でもない人が書誌学の礎となる業績をなぜ上げられたか、それは偏に本に寄せる愛情の賜物であった。印刷工として出発したブレイズは、英国初の鋳造活字によるキャクストン本を体系立てて蒐集し、活字の摩耗具合などから判断してイギリスで活版印刷が行なわれるようになっていった歴史を明らかにすることに成功する。しかし、書誌学という学問成立以前のこと、その蒐集過程でブレイズが出会うことになったのは今となっては信じられないほど無造作な取り扱いに甘んじている書物の姿であった。 愛書家が書物の美点、長所について語るのは当然である。しかし、真の愛書家にとって何より問題となるのは、愛すべき書物に襲いかかる敵の数の多いことである。ブレイズがここに挙げる書物の敵の中には、「ガスと熱気」のように、時代の移り変わりの中で自然に消滅していった例もふくまれるが、「火の暴威」や「水の脅威」のようにいまだに強敵として君臨する者もいる。なかでも、ブレイズが最も力を入れて言及する最大の敵は「紙魚」である。 その他、作者が挙げる敵を列挙すれば、「埃と粗略」「無知と偏狭」「害獣と害虫」「製本屋の暴虐」「蒐集家の身勝手」「召使と子供の狼藉」と枚挙に暇がない。表紙の修理を依頼した製本屋が原本の奥付や内表紙を勝手に切り取ってしまったり、また、逆に価値ある書物の天地を自分の書棚の寸法に合わせて裁断したりする蒐集家もあったという。飾り文字の部分を切り取って自分のイニシャルを作る子どもや、装飾付きの題名の部分だけを切り取ってスクラップする蒐集家もあったらしい。召使いが本の値打ちを知らずに暖炉の焚き付けに一枚ずつ引き毟ったり、トイレで事後の処理に供されたりもしたというから、愛書家が胸を痛める気持ちも分かろうというもの。 アレクサンドリア図書館を襲った大火の模様や、財宝が見つからないので腹を立てた海賊によって海中に投じられた積み荷の蔵書の運命に一喜一憂するもよし、ヴィクトリア朝英国の図書事情について当事者であるブレイズの一家言を聞くもよし、本に関することなら何でも興味関心があると宣う御仁なら。読んでおいて損はない。ただし学者ではないブレイズ氏、記憶違いもたまにはある。だが、心配御無用。たっぷりとった余白に原註、訳註が親切である。 原本にあったエングレーヴィングや石版による挿画も多く採られ、愛書家に関する書物らしくゆったりした版組や活字の選択等、造本もまた興趣を添える。語り口はといえば、少々時代がかった口吻に巧まざるヒューモアが感じられ、愛書家ならずとも、本好きにとって古き良き時代を偲ぶ絶好の読み物となっている。冬の夜、暖炉の傍に肘掛け椅子など引き寄せ、サイドテーブルに置いた洋燈の火影で読まれるならば、これに勝る愉しみを見つけることは難かろう。

Posted by ブクログ

関連ワードから探す

関連商品

同じジャンルのおすすめ商品

最近チェックした商品