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林芙美子 放浪記 大人の本棚
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2004/02/09 |
JAN | 9784622080442 |
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林芙美子 放浪記
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商品レビュー
4.2
6件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
『放浪記』(改造社版、昭和5年刊)。 色々な場所で何度も目にするので、ついに読んだ。もっとエキセントリックな、わかりやすく傑出した作品だろうと勝手にイメージしていたので、意外だった。これほどの困窮は現代では稀だとしても、しみったれた自分の生活に対するうんざりした感情は普遍的なものだからかな。でも、「私は悲しくなると、足の裏が掻ゆくなる」なんて、なんとも非凡な表現だと思う。 読んでいて思い出したのは、オーウェル(1903-50)の『パリ・ロンドン放浪記』(1933)。あれ、林芙美子の生没年は1903~1951年だから、この2人って同い年なんだ。オーウェル作品も、女たちの威勢が良くて、冒頭の罵詈雑言の応酬がいい。連載時期も近く、林の『女人藝術』誌上での連載が1927~1930で、オーウェルの貧乏生活も1927~1929。おもしろい。 それから、瀧波ユカリによる4コマ漫画『臨死!!江古田ちゃん』。男が餅の在庫管理をしている姿を見て急に冷めてしまうシーンなんて、まさに江古田ちゃんでありそう。 オランダの現代美術家ウェンデリン・ファン・オルデンボルフによる映像作品《彼女たちの》(2022)では林芙美子と宮本百合子の著書を、確か交互に朗読することで強制的にダイアローグを生み出す手法がとられていておもしろかった。ロマンティックな宮本百合子の書簡も印象的だったので、今度はそちらも読みたい。
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NHKのテレビドラマで放浪記を見ました。 林芙美子の青春を書いたと読むこともできる。 再びNHKで取り上げられ、J ブンガクの7月に放送された。
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森まゆみさん苦心の「原典・改造社版」復活! 普及している新潮文庫版は後からどんどん手が入れられていてパンチに欠ける。 やっぱりビンボーなカフェの女給文士のデビュー作ったら、このくらいイキオイがなきゃウソでしょう(笑)。 読みながら、私はふと、同じ苗字でコピーライターで「○○○○...
森まゆみさん苦心の「原典・改造社版」復活! 普及している新潮文庫版は後からどんどん手が入れられていてパンチに欠ける。 やっぱりビンボーなカフェの女給文士のデビュー作ったら、このくらいイキオイがなきゃウソでしょう(笑)。 読みながら、私はふと、同じ苗字でコピーライターで「○○○○を買っておうちに帰ろう」で一発当てた田舎もん(ごめんね)で、最初信じられないくらい地味な苦労をした反動か、上昇志向がすごく強い女性作家のことを思い出していた。 芙美子の夫は売れないけど「画家」、林某の夫は「東大卒」。 芙美子の養子は学習院、林某は高齢出産で子作りのいきさつを夫が書かれ。 さすがに昔アグネスと論争しただけあって、表舞台には出てきませんが、お子さま。 林芙美子は私が唯一「新潮社文学アルバム」を持っている作家である。 亡くなったとき葬儀委員長の川端康成が 「故人はいろいろありましたが、あと数時間で灰になってしまうのでゆるしてやって下さい云々。」 というようなことを述べた、激しい女性作家でもあった。 なにしろ来る仕事全部断らないので、新人はお茶を挽くのである。 「新人つぶし」と誤解されたとしてもいたしかたない。 「女流作家」の間口は狭く、文士は基本的に男性中心の時代だったのだ。 その「女流枠」をゆずらないのだから、敵も多かったろう。 しかし、私はこの本の「淫売婦と飯屋」で泣かされてしまうのである。(食い意地が張っているから・笑) 十銭玉いっこだけを握りしめて飯を食いに来る「ドロドロに汚れた」労働者。 十二銭でごった煮定食を食べる芙美子。 なんだこれは、ゾラの「居酒屋」じゃないか。 冒頭の、のヒロイン・ジェルヴェーズの披露宴じゃないか。 ウサギの丸焼きが出たとき笑いながら「ドブのウサギ(ネコ)じゃないだろうな!」と料理人にからむ極貧の人々。(「居酒屋」に関しては今手元に本がないので間違っているところもあるかもしれないが) 森光子の「放浪記」で、でんぐりがえりを観ておけばよかったと悔やむ私である。 (2010/08/14現在、森さんはまだお元気ですが、ドクターストップがかかりました)
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