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経済学のエッセンス 日本経済破局の論理 講談社+α文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 2004/01/20 |
JAN | 9784062568128 |
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商品レビュー
3.8
9件のお客様レビュー
この人の本から入ると…
この人の本から入ると経済の原理など非常に分かりやすいです。
文庫OFF
①Y=C+I(国民所得=消費+投資)、②C=aY+b(投資=限界消費性向*国民所得+最低消費水準)、①と②の連立方程式を解くこと。もうひとつ③D=S(需要=供給⇒市場均衡条件)。結局この3つの式だけを使って、経済の勘所を説明しています。 「小室節」に慣れないと読み進めにくいとこ...
①Y=C+I(国民所得=消費+投資)、②C=aY+b(投資=限界消費性向*国民所得+最低消費水準)、①と②の連立方程式を解くこと。もうひとつ③D=S(需要=供給⇒市場均衡条件)。結局この3つの式だけを使って、経済の勘所を説明しています。 「小室節」に慣れないと読み進めにくいところもあるでしょうが、文体に慣れれば非常にわかりやすい。 おどろくのはこの本の元の本が出たのが1992年であること。(文庫として出されたのは2004年)。歴史的に見ればバブルは崩壊していたが、当時まだ、その認識を持っていた人はほとんどおらず、多くのエコノミストは在庫調整不況程度の認識でした。その時点で、その後の不敬状況を予測し、処方箋も提案しているのはさすがでです。 さらに処方箋として示される結論も驚かされるかもしれない。小室直樹といえば、右派のイメージが強く、日本ではいつの間にか右派≒新自由主義、マーケット至上主義となっていたが、小室さんは違います。「ケインズは死なず」「ケインズ政策を強行せよ」と結論づけています。 1992年とは言わない、2004年の時点であっても、この小室氏の主張を政策の中心に据えていたら、失われた10年は10年で終わり、失われた30年になることはなかったのではないか、と思えてきます。 https://amzn.to/2K21ZVJ
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―――――――――――――――――――――――――――――― とてつもない特権階級だけが残った。地主階級であった。 が、この恩恵的関係が、日本独自の雇用関係、すなわち主従的なそれを生むことになった。33 ―――――――――――――――――――――――――――――― そのシステム...
―――――――――――――――――――――――――――――― とてつもない特権階級だけが残った。地主階級であった。 が、この恩恵的関係が、日本独自の雇用関係、すなわち主従的なそれを生むことになった。33 ―――――――――――――――――――――――――――――― そのシステムは、高度成長後にはもはや機能しにくくなっていた。 ①会社が「共同体」になり切ってしまったから、企業固有の「サブカルチャー」の下に作り上げられた企業色を払拭することが困難になった。 ②したがって、会社間の労働移動が困難になった。 ③「官僚の銀行支配」→「銀行の企業支配」という「メイン・バンク制」を打破することが困難となった。新しい企業に資金援助することが困難となった。38 ―――――――――――――――――――――――――――――― 銀行が、何がなんでも稼がなければならなくなった背景には、「金融の自由化」がある。 ここに土地神話ほど幸いなものはない。53 ―――――――――――――――――――――――――――――― 不況は、「有効需要の不足だけによって説明できる」のである。70 ―――――――――――――――――――――――――――――― ケインジアンに取って代わったエコノミストは(…)いわゆマネタリストと呼ばれる人々であった。 換言すれば反ケインズ主義者である。古典派。一言で言えば、資本主義者。いかなる経済でも、進歩すれば結局、資本主義に行き着くのだと信じている。118 ―――――――――――――――――――――――――――――― 現実は無限に複雑である。かくも複雑な現実をそのまま把握するなんてできっこない。科学は、右の諦観から出発するのです。 模型で考えないで、無限に複雑な現実と素手で格闘したら、二進も三進も行かなくなるに決まっている。暴虎馮河とはこのことだ。まもなく虎に食われてしまうだろう。169 ―――――――――――――――――――――――――――――― マルクス経済学の中心テーマは失業論(産業予備軍説)である。 ケインズは、資本主義社会における失業の存在を肯定しただけではない。失業をなくするための方法もまた示した。 マルクスの貧困論も産業予備軍説も否定された。230 ―――――――――――――――――――――――――――――― ケインズは死んではいない。現在日本では依然として立派に生きている。 今の日本では、生産力は十分に高く、インフレも入超も起きない。起きそうもない。ケインズ理論の欠点は、インフレ理論がないことにある。 言わば「インフレ」と「入超」こそ、ケインズ政策の鬼門なのである。279 ――――――――――――――――――――――――――――――
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