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現代アメリカ入門
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 明石書店/ |
発売年月日 | 2004/02/15 |
JAN | 9784750318592 |
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現代アメリカ入門
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アメリカの歴史(主に政治史)、経済、社会(宗教、教育、社会保障、NPO、映画)、外交・安全保障に関する入門書。10人以上の先生による分担執筆で、9.11後、2003年までが内容として扱われている。 真面目な入門書にはありがちな広く浅くといった感じで、色んな人や用語が教科書的に...
アメリカの歴史(主に政治史)、経済、社会(宗教、教育、社会保障、NPO、映画)、外交・安全保障に関する入門書。10人以上の先生による分担執筆で、9.11後、2003年までが内容として扱われている。 真面目な入門書にはありがちな広く浅くといった感じで、色んな人や用語が教科書的に出てくる点、分かりにくい部分もある。特におれは経済の話は苦手なので、何となくしか分からなかった。 勉強になった部分は、まず上院では「『フィリバスター』という長時間演説による議事妨害の方法」(p.57)というのがあるらしい。wikiによるとオランダ語で「海賊」の意味だそうだ。また、「統計によれば、アメリカ人の九六%は『神(キリスト教に限らない)は存在する』と信じており、約九割が宗教は自分の生活にとって重要だと考えている」(p.136)という部分で、いかに宗教がアメリカ人の精神に密接に結びついているかが分かり、テレビ説教家と言われる人たちがいるのも知っていたが「テレビ説教家はいずれもプロテスタントで、福音派(エヴァンジェリカル)あるいはファンダメンタル(根本主義)といわれる信仰を持っている傾向が強い」(p.137)ということと、そういう福音派の特にファンダメンタルの人たちが「ロビー活動などを通じて強力な政治的影響力を行使する場合、『宗教右派』とも呼ばれる」(同)という部分は整理しておきたい。そして、彼らは「神を軽視し道徳を否定する世俗主義や物質主義が社会をだめにしていると主張し、現代の社会状況に適応して柔軟な教義解釈をしようとするリベラル派を、世俗主義に妥協していると批判する。」(pp.137-8)という部分など、アメリカの保守とリベラルを考える上で重要なことだと思う。ところで、同じp.137にはコラムとして「カトリック神父による児童虐待」というのがあるが、「2000人近いカトリックの聖職者による同様の虐待が次々に発覚し」とあって、結構驚いた。「外交・安全保障」の章では主に、冷戦からポスト冷戦、対テロ戦争へという枠組みにおける外交政策の変化が述べられているが、「ブッシュ・ドクトリン」という、「アメリカの『対テロ戦争』への支持・不支持で世界各国を区別して、不支持国をテロ組織と同一視する」(p.202)という善悪二元論は、これこそがまさに原理主義なんじゃないかとも思った。原理主義に原理主義に対抗するという図式に、日本も巻き込まれていく様子が分かった。「アメリカで著名な福音伝道師ビリー・グレアムの息子フランクリン・グレアム」(p.231)の発言、「われわれはイスラームを攻撃していないが、イスラームがわれわれを攻撃した。イスラームの神は同じ神ではない。キリスト教やユダヤ教の神の子でもない。イスラームは非常に邪悪で悪い宗教であると信ずる」(同)という発言は衝撃だ。こういう分かりやすい言葉に扇動されていく人たちというのも恐ろしい。もちろん他人事ではなく。そして、こういう思想にも前述の「宗教右派」が絡んでいるのも、やっぱりアメリカの宗教を勉強しないといけないと思った。他にも、2003年のイラク戦争は「ペルシャ湾岸の支配権を握ろうとする外部勢力の試みは、アメリカの死活的国益に対する攻撃と見なされ、必要ならば武力行使を含むあらゆる手段によって排撃される」(p.225)という1980年にカーター大統領が示した姿勢、「カーター・ドクトリン」の適用である、というのも勉強になったし、「石油にせよ、イスラエルにせよ、いずれも外交政策の領域の問題であり、大半のアメリカ人が直接的な関心を抱くことはなかった。しかし、キリスト教的価値観を基調とするアメリカ社会には、いったん、イスラームの絡む事件が発生すれば、反イスラーム的な感情の噴出につながりかねない土壌があった」(p.230)というのも納得だった。もっと色々な本を読んで、理解を深めようと思う。(16/07/23)
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