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なぜフェミニズムは没落したのか 中公新書ラクレ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社/ |
発売年月日 | 2004/12/10 |
JAN | 9784121501592 |
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なぜフェミニズムは没落したのか
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商品レビュー
2.7
10件のお客様レビュー
女性問題についての論…
女性問題についての論考は的を射ている部分があるが、本書の題となっている「なぜフェミニズムは没落したのか」については、きっちりとした答えは出せないでいるままとなっている。(そもそもフェミニズムが衰退しているのか、フェミニズムとは何かという点がはっきりしていない)フェミニズム問題に関...
女性問題についての論考は的を射ている部分があるが、本書の題となっている「なぜフェミニズムは没落したのか」については、きっちりとした答えは出せないでいるままとなっている。(そもそもフェミニズムが衰退しているのか、フェミニズムとは何かという点がはっきりしていない)フェミニズム問題に関心があり、上野千鶴子氏ら第一人者の言説を理解したうえで批判的な意見に触れたいという人にはおススメできる。この本と併読する形でガチのフェミニズム論や反フェミニズム論を読んでみても面白い。
文庫OFF
団塊と団塊ジュニアにはさまれた「くびれ世代」の著者が、80年代という時代の空気を回顧しながら、当時の人びとが感じていた「フェミニズムのようなもの」をフェミニズム学者がすくい取ることに失敗してしまったと批判している本です。 本書の議論の中心となっているのは、フェミニズムの代表的論...
団塊と団塊ジュニアにはさまれた「くびれ世代」の著者が、80年代という時代の空気を回顧しながら、当時の人びとが感じていた「フェミニズムのようなもの」をフェミニズム学者がすくい取ることに失敗してしまったと批判している本です。 本書の議論の中心となっているのは、フェミニズムの代表的論客である上野千鶴子と、80年代的な「フェミニズムのようなもの」を体現した林真理子が対決した「アグネス論争」を検証する箇所といってよいでしょう。当時の林が女性たちから絶大な支持を受けたのは、それまで男だけに許されていた「やりたいことをやるんだ!」「欲しいものを手に入れるんだ!」という思いを実行に移し、次々に成功を収めてきたからだと著者は見ています。ところがフェミニストは、「……したい!」という彼女たちのことばに込められた思いを理解することはなかったと著者は批判します。フェミニストは、自分の欲望を実現するという語り方よりも、社会の抑圧からの解放という語り方を好んだのであり、ここにフェミニズムと「フェミニズムのようなもの」との齟齬があると著者はいいます。そのうえで、フェミニズムは女性たちの広範な支持をまとめあげることができず、男社会による分断工作を受けて没落してしまったと論じられています。 本書の議論に対してフェミニズムの側からの批判としては、素朴な実感に依拠する「フェミニズムのようなもの」はけっきょくのところ時代の気分にすぎず、社会の構造的な問題の分析に手をつけようとしなかったために、景気の後退によって跡形もなく消え去ってしまった、といったものが考えられます。とくに上野の世代は、状況に流されて全共闘に参加した男たちがけっきょくのところ生活保守主義に回帰していった経緯を見ているだけに、素朴な実感信仰によって問題の解決はもたらされないことを、彼女は知りすぎるほど知っていたのではないかと思います。 著者は、林真理子が「新しい歴史教科書をつくる会」の呼びかけ人になったことに対して評価を控えるという立場をとっているが、これはひいきの引き倒しといわざるをえません。林の迷走は、無定見な実感信仰が状況に流された実例以外の何ものでもないように思われます。
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※このレビューにはネタバレを含みます
2004年刊行 。「お金が欲しいから女のくせに仕事をする人生を選んだ『男性蔑視主義者』による、きわめて個人的な『八〇年代論』」。このあとがきの独白が全てを物語る。 せめてリサーチを学術レペルに上げ、抽象化して論述しないと、ただの毒吐きでしかない。 なるほど上野千鶴子批判は興味深く、掘り下げて欲しかったが、本書の個人体験レベルの批判では上野氏は反論すらしないだろう。 また、団塊Jr世代女性への批判がこのレベルでは、彼女らがこの見解をどこまで傾聴するかな、との感。 「八〇年代の空気感を取り戻そう」との著者の掛け声が寒々しい。
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