遙かなるクリスマス

さだまさし(著者)

• 販売会社／発売会社: 講談社/
• 発売年月日: 2004/12/06
• JAN: 9784062127141

商品レビュー

2012/03/28

がんばらない。あきらめない。

大好きな唄。
数年前の紅白でこの唄を聴き、衝撃を受けて。
反戦歌と言われ、実際そうなのだが、
反戦うんぬんの前に、私がこの唄を好きな理由は、
エゴの狭間で葛藤してる姿。
それが生々しいから。そして身近に感じるから。

さださん直筆の筆文字から、
あの歌声が聴こえてくるようで。
醜い感情を吐露するかのような、あの声が。

よい本です。

2009/06/06

NHKの暴挙、紅白で反戦歌。
の、例の歌詞のみで構成される絵本。

聞きながら読む？読みながら聞く？

2007/04/22

毎日新聞朝刊（3月7日）の記事から…

講談社の編集者、山影好克君が急死した。
４２歳の若さだった。

　彼は昨年の１０月１６日、わざわざ福島市民文化センターのコンサート会場にやって来て「゛遥かなるクリスマス”の歌詞を読み深く感じるところがあったので是非これを絵本にして中学生、高校生に読ませたい　」と言った。それもクリスマスまでに、出来るだけ早く、上梓したい、と言った。

　無理なスケジュールだ、と思ったが、彼はすぐに歌詞に写真を当てた「絵本の叩き台」を作った。だが、僕はどうにも歌詞の活字の体温の無さが気になり、その晩徹夜をして色紙およそ５０枚に歌詞を手書きした。

　責任感が強く誠実な彼はもの凄く感激してくれ、あっという間に素晴らしい本を作り上げた。彼と僕とデザイナーとの必死の共同作業だった。

　彼は身体にかなり無理をしたはずだが、出来上がってからも東京近郊のコンサートにはいつもニコニコと現われ「会場で絵本を売る」手伝いをした。

　最後に会ったのは１月１６日の大宮の楽屋だったか。訃報を聞いて通夜に駆けつけた時、彼の上司から意外なことを聞いた。

　実は彼は白血病で苦しんでいたのだという。それもようやく治り、改めて仕事を始めた直後であったという。そうでなくても体力が弱り切っている所へ、あるパーティーでインフルエンザを拾い、肺炎であっという間に世を去った。僅か３ヶ月である。彼は３ヶ月だけ僕の前に現われ、魔法のように素晴らしい絵本を作り、あっという間に去った。

　通夜の席でまだ父の死の意味も分からない３歳位の彼の幼い遺児の笑顔を見ながら僕は涙を拭った。
そうか、広島出身の彼は息子の未来のために父親のメッセージとしてあの本を作ったのだ、と理解できた。生きてくれ、生きてくれ、生きてくれという叫びは彼の心の叫びだったのだ。

　「何故彼を、と神様を恨みます」と上司は泣いた。
　「いい男でした」と。

　僕は彼の思いを守り、歌い続けていくしかないが、余りにも切なく、勿体なく、早い別れだった。
　合掌。

（さだまさし「日本が聞こえる」）
http://blogs.yahoo.co.jp/hiroasakawajp/359444.html