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日本の文化力が世界を幸せにする
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | PHP研究所/ |
発売年月日 | 2004/12/17 |
JAN | 9784569633985 |
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日本の文化力が世界を幸せにする
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商品レビュー
3.3
4件のお客様レビュー
この本は、日本の素晴らしさを理解して、それを公の場で数々のバッシングを受けながら活躍されている呉女史と、この20年間、彼の著作はほとんど読んでいる日下氏にとの共著です。 日本がデフレに突入して銀行神話が危なくなってきた頃に、鳴り物入りで導入された「グローバルスタンダード」に基づ...
この本は、日本の素晴らしさを理解して、それを公の場で数々のバッシングを受けながら活躍されている呉女史と、この20年間、彼の著作はほとんど読んでいる日下氏にとの共著です。 日本がデフレに突入して銀行神話が危なくなってきた頃に、鳴り物入りで導入された「グローバルスタンダード」に基づく経営方法も、実はあまり効果が無いと日本の企業は理解し始めてきた2004年頃に書かれた本です。 まだ命脈を保っている欧米系の大企業が衰退することは簡単にはないとは思いますが、日本の文化力をベースとした企業が世界を幸せにしていくことで新しい流れをつくっていって欲しいものです。 日下氏が以前の著作で、アメリカにも日本の経営を見習ってリストラもせずに高収益を上げている会社があると紹介していましたが、アメリカでも一部では理解されていることでしょう。 同業者と戦って打ちのめして市場を取るという狩猟民族的な発想から、皆で協力して(談合ではなく)、その結果、生産者も消費者も幸せになるような仕組みを構築していきたいものです。 以下は気になったポイントです。 ・日本のやり方が世界に浸透しているのだとすれば、それは外国が真似したから(p22) ・そもそも時価評価は、しがらみにとらわれず資産を売り買いして、利益を持ち逃げしようとする、定住性が薄い国際人が必要とする発想で「交換価値」を重視する「市場原理」に基づく(p24) ・血筋以外から養子をとるのは日本の変な習慣(韓国から見れば)であるが、倫理や文化の上下を言わなないのが国際親善のコツ(p30) ・日本は明治に開国するとすぐに、上智や青山など外国の宗教団体に大学の設立を許可した、独立国としては珍しい(p51) ・日本が輸入しているのは、ほとんどが開発輸入、吉野家ならではの牛を現地で作らせて輸入する、すかいらーくが使うニンジンとかホウレンソウを指導して契約栽培して生産したものを輸入することである(p67) ・成果主義を採用するにしても、アメリカ式の単純な実績数字主義ではなく、プロセス重視の成果主義を導入したところはうまくいっている(p70) ・ぜいたく品とか先端商品をつくっているところでは、成果主義は無理(p72) ・単純な仕事はアメリカ式でも問題ない、未来に向かった積み上げていくような複雑な頭脳労働は、日本式が良い(p74) ・思想、宗教、科学を誰でも自由に議論できる国というのは、日本以外には例が無かった(p92) ・欧州人が理解できないのは、日本のホームレスは教養があり、知的好奇心があるということ、外国ではホームレスは1年で死んでしまう、冬が越せないので(p95、96) ・コンピュータやパソコンとかのIT革命では、日本は絶対にアメリカに勝つ理由として、アメリカの子供は16歳まで行動の自由が無いから日本の子供の方が賢くなる(p121) ・韓国では社長は一番遅くに来て、一番早く会社を出てくれないと、社員たちは立つ瀬がなくなる、社長としての威厳が保てなくなる(p140) ・アメリカと日本の保育園、幼稚園を比較して感心したこと(呉女史)は、1)積木遊び、2)お昼寝、3)みなと一緒に遊べない子を心配する(アメリカは一人で遊べない子を心配する)、である(p143) ・日本は韓国と比較して、上層の文化と下層の文化が勢いよく混じりあうのが特徴(p168) ・冬ソナは、日韓関係が良いから生まれたのではなく、NHKと電通が仕掛けて作り上げたブーム(p188) 2011年10月16日作成
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Steaveのこだわりって、ある意味、日本の文化力に似ているとこの本を読んで感じた。見えないところにこだわるとか。
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日下公人、呉善花の本は、それぞれかなり読んできたし、そのいくつかはこれまでにも取り上げてきた。ところがなぜか、二人の対談であるこの本だけは見過ごしていたことに気づき、さっそく読んでみた。 日下も触れているように、この対談は、呉の日本論を中心に展開し、日下がそれに対し、「できるだ...
日下公人、呉善花の本は、それぞれかなり読んできたし、そのいくつかはこれまでにも取り上げてきた。ところがなぜか、二人の対談であるこの本だけは見過ごしていたことに気づき、さっそく読んでみた。 日下も触れているように、この対談は、呉の日本論を中心に展開し、日下がそれに対し、「できるだけ乾いた論評」で応じるという形になっている。「乾いた論評」とは、呉の日本論に対し、「そうだ、そうだ」と喜んで応じるのではなく、できるだけ客観的に冷静に対応し、ときにはすこし違った角度から応ずるというようなことだろう。日下のそうした配慮が、この対談に深みを与えていると思う。 たとえば、呉が、島国日本の狭隘な地形から、対立よりも融合に向かった日本人の特徴を説明する。山の人が降りていって海草をとったり、海岸の人が山で木をとったり、海の人が山の神を祭ったりなど、融和していくほかない自然環境があった。これに対して大陸では、山の人々、平野の人々、沿岸の人々の生活がまったく別で、融合よりも対立しながら生きてきた。これに対して日下は、そうした自然環境の影響を認める一方、たとえば中国の客家(はっか)は、団結し、円形の城のような集合住宅で暮らし、ながく独立を守り、日本のように集団のメンバーが固定していて、相互信頼が厚い例を挙げる。つまり、自然環境だけではなく、独立を守ろうとする意志の側面も無視できないと指摘るすのだ。 とはいっても二人とも、大陸のように異民族同士の紛争の中で展開した歴史が日本になかったことを、日本文化のユニークさが形成される大きな理由と考えていることは確かなようだ。大陸が異質な共同体同士の敵対的な関係を軸に歴史が展開したのに対し、日本では農耕民と非農耕民が互いを必要とする相補関係をなし、その歴史が相互信頼社会を育んだといえよう。 闘争の歴史の中で生きてきた大陸の人々は、「力の信奉者」とならざるを得ない。人間関係をどちらが強いか、上か下かで判断し、可能なら支配しよう、略奪しようと考えることが習性になってしまう。そこから、信頼を前提とした人間関係は育ちにくい。戦争が絶えないと、それが社会の常識になってしまうのは当然かも知れない。しかし、現代、まがりなりにも平和に暮らせる人々が多くなると、平和を前提とした文化である日本文化の良さが、広く受け入れられるようになる。そこに、日本のマンガ・アニメが世界に普及する理由のひとつがあるかも知れない。
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