日本語の呼吸

鴨下信一(著者)

• 販売会社／発売会社: 筑摩書房/
• 発売年月日: 2004/03/25
• JAN: 9784480816320

商品レビュー

2014/04/07

日本語の読み方を丁寧に指導してくれる好著だ．息の継ぎ方や強弱の付け方など参考になる事項が多かった．付録にあった芭蕉の句を、その中に盛り込まれた音に焦点を当てた解説は秀逸だ．

2011/04/07

ナレーターさんお勧めの本。
朗読の技法について書かれた本かと思ったら・・
ただの教科書じゃなかった。
普段日本語を聞いていて、「いいな～」とか「？」な点を、
「どうしてか」次々、あばいて教えてくれる。

前半は日本語の音の要素（間とか音程とか）について
シェイクスピアの原文、歌舞伎の長台詞とかも例に出して
かなり幅広く語られていて。
とくに面白かったのは、
「若者言葉が派生した経緯」とか「歌手が、演技がうまいわけ」など。
日本語の音を軸に、音楽・楽器やヒット曲、
芸術全般や時代ごとの世相とかにも、話が及びます。

後半は和歌・漢詩の読み上げ方にはじまり、
最終章の芭蕉の句について考察するところになると
どんどん話が深いところへ・・
音を形容する言葉も横文字専門的になってきて、
ちょっとマニアックともいえるくらい深い考察なのに、
おいてきぼりにされない。
解説がリズミカルで、とても親切なので
内容の難しさにしては楽しく読めます。
さすが、演出家の書く本です･･。

日本語を声に出して読む機会がある人、
または聞くのが好きな人にはとてもお勧めです。
（国語が好きじゃなかった人は前半だけでも。）
それほど分厚い本ではないのに、
3冊分くらいの内容がぎゅっと詰まっています。