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万葉恋歌 日本人にとって「愛する」とは 光文社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光文社/ |
発売年月日 | 2004/01/07 |
JAN | 9784334736187 |
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万葉恋歌
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以前、中西進先生の「万葉みらい塾」を読んで万葉集いいなと思ったのですが、ほかにピンとくる読みたい本がなかったため、遠ざかっていました。 新聞に永井先生の御著書が紹介されているコーナーがあり、そちらで見つけて早速読みました。 最近、平安時代のものを多く読むようになって、和歌もなん...
以前、中西進先生の「万葉みらい塾」を読んで万葉集いいなと思ったのですが、ほかにピンとくる読みたい本がなかったため、遠ざかっていました。 新聞に永井先生の御著書が紹介されているコーナーがあり、そちらで見つけて早速読みました。 最近、平安時代のものを多く読むようになって、和歌もなんとなく分かるようになってはきたのですが、正直、有名なものをなんとなく覚えてるだけ。当時の生活をわかっていないと意味がよく分からないんでしょうね。 その点、万葉集は分かりやすい、という意見に頷くばかりです。言葉は、古代のものだから解説の必要なものももちろんあるんですけど、変にひねってないというか、技巧にはしってない。だから、すっと心に入ってくるのかな。素直な歌が多いな~。 「万葉みらい塾」を読んだあと、人の心は根っこは今も昔も同じ、と思いました。永井先生は、万葉の恋の歌に愛の原型を見るというようなことを書いています。親子の愛にしても、男女の愛にしても、時代が進んで、文化が発達して、制度が複雑になるにつれて、いろいろな制度、制限や社会から押し付けられる価値観、経済にしばられて、愛そのものを見ることが難しくなるのかもしれませんね。同じ身分や経済力じゃないと相手にされないとか、教育に振り回される親子とか、恋人の選択も、好き嫌いより相手の学歴とかお勤め先とか考えちゃうとか。 万葉のこの素直さには、心癒される感じです。もう少し、万葉の世界を覗いてみようと思いました。
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花ぐわし葦垣越しにただ一目相見し子ゆゑ千遍嘆きつ (作者不詳) 馬柵越し麦食む駒のはつはつに新膚ふれし子ろし愛しも (作者不詳) 君が行く道の長手を繰りたたね焼き亡ぼさむ天の火もがも (茅上娘子) あしひきの山の雫に妹待つとわれ立ちぬれぬ山の雫に (大津皇子) 二人行けど...
花ぐわし葦垣越しにただ一目相見し子ゆゑ千遍嘆きつ (作者不詳) 馬柵越し麦食む駒のはつはつに新膚ふれし子ろし愛しも (作者不詳) 君が行く道の長手を繰りたたね焼き亡ぼさむ天の火もがも (茅上娘子) あしひきの山の雫に妹待つとわれ立ちぬれぬ山の雫に (大津皇子) 二人行けど行き過ぎがたき秋山をいかにか君がひとり越ゆらむ (大伯皇女) 大船の泊つるとまりのたゆたひに物思ひ痩せぬ子ゆゑに (弓削皇女) 古にありけむ人もあがごとか妹に恋ひつつ寝てかねてけむ (柿本人麿) 稲春つけばあが手を今夜もか殿の若子が取りて嘆かむ (作者不詳) うらうらに照れる春日に雲雀あがり心悲しもひとりし思えば (大伴家持) 恋草を力車に七車つみて恋ふらく吾が心から (広河女王) 少し前、「源氏物語」を現代語訳で読破したのだが、ずっと歯痒かったことがある。それは“和歌“が訳無しでは意味が分からなかったことだ。美しいということ、センスが良いということは分かったのだが、私の教養とセンスを源氏に試され、鼻で笑われているようで、悔しかった。 ところがどっこい、もっと前の時代の万葉集はとっても分かりやすいではないか。 気持ちにまで十二単を着せて気取っていた平安時代の和歌と違って、万葉集はあけっぴろげ!「いゃ〜ん♡訳さくていいよぉ〜( ´∀`)」と言いたくなるくらい、文字と音だけで赤面してしまうような赤裸々な愛と恋に溢れているのだ。 一つには漢字ばかりで書かれていたから(万葉仮名)ということもあるのでは?と思う。漢字ばかりだと書くにも見た目にも重量感があり、意味にも深みがあり、それだけで心にグサッとくるものがあったと思う。それに対して、平安時代はヒラヒラとしたフリルようなひらがな文化になってしまったため、女のお喋りのような軽い薄衣のような言葉を幾重にも重ねて飾り立てること重視の歌になってしまったのでは?これは理解出来なかった腹いせを含んだ自説だ。 万葉集は書くのに手間のかかる万葉仮名で書かれていたが、言葉には一つの言葉で色んな意味を持つ深い使い方が出来たらしい。例えば、「見る」という言葉には、ただ視覚的な「見る」だけではなく、男女が「付き合ってみる」とか、まあ恥ずかしいことも「見る」とか「相見る」で表すという、あけっぴろげだけど大人で上品な表現をしてたらしい。さすが大和文化だね。 それから、万葉集には美しい日本語が沢山あって、そのほんの一部を書くと 「花ぐわし」 “香ぐわしい“と同じ使い方の“ぐわし“(細やかな美しさ)がついて、「見た目とてもきれい」というようなニュアンスの言葉。 「はつはつに」 “ほんのちらりと“というような意味 「たもとおり」 うろうろ歩きをすること 「孤悲」 “恋“という言葉にこの字を当てていたことが多かったらしい。 もう眠たいのでこれ以上書かないが、この本では万葉集の中心となった大伴家持や坂上郎女や柿本人麿がどういう人であったか、政治的な立場や恋人は誰であったとか、万葉集の歴史的背景と国文学的な理解の両方を深めてくれる。永井路子さんすごい。日本人の必読書だ。
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百人一首との違い、そんなにないだろうと思っていましたが、印象が全然違うんですね。 一首目から鮮烈でした。
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