北朝鮮とアメリカ 確執の半世紀

ブルースカミングス(著者), 杉田米行(訳者), 古谷和仁(訳者), 豊田英子(訳者)

• 販売会社／発売会社: 明石書店
• 発売年月日: 2004/07/20
• JAN: 9784750319506

商品レビュー

2012/10/25

そうか、そもそも朝鮮戦争からアメリカと北朝鮮が仲良くできるなんてことはないね。
アメリカ人が朝鮮半島で死んだのはどのような敵と戦っているのか司令官が理解していなかったから。マッカーサーも簡単に片づけられると言っていた。

2012/07/07

アメリカ人がいかに朝鮮人を偏見に満ちた目で見ていて、いかに朝鮮戦争について無責任かつ無知であるかを、筆者は執拗に明らかにしていく。
また、いかにアメリカのメディアが北朝鮮について偏った報道をしているかがわかる。しかし、それは日本だって例外ではなくかつての「鬼畜米英」と何ら変わってはいない。
北朝鮮に関する報道の全てが虚飾に満ちているとは言わないが、全て鵜呑みにするようでは戦前の大本営発表をそのまま信じる姿と変わりはないではないかと反省。
嘘を嘘と見抜けないと〜は難しいというわけだ。

2006/09/29

北朝鮮側の弁護人が書いたような本で、正論もあるが、怪しい部分もある。著者は北朝鮮に関する‘偏向した’言説や浅い分析がメディアを通して主流となっていることを非常に危惧していて、本書では俺が本当のことを教えてやるから聞け！みたいな意気込みが感じられる。ただ、全体的に議論の展開が雑でがっかりした。周到な『朝鮮戦争の起源』や、『Korea place in the sun』 を書いた人とはちょっと思えない。例えば、米国の南北戦争に他国が介入したら米国は怒っただろう、という理屈？で朝鮮戦争も同じ民族間の‘内戦’(まだ内戦論の立場をとっているが…)だったのだからアメリカ(国連)は介入すべきではなかった、とするところや。北では収容所に家族もろとも収容される点を、朝鮮独特の家族を大切にする文化で、互いに助け合って収容所生活を生き延びることができるふうになっている…という解釈には驚く。