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ゆきだるまのるんとぷん
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ゆきだるまのるんとぷん

たかどのほうこ(著者)

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ゆきだるまのるんとぷん

定価 ¥990

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 偕成社/
発売年月日 2004/11/01
JAN 9784034602706

ゆきだるまのるんとぷん

¥660

商品レビュー

4

3件のお客様レビュー

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2024/02/12

 本書は、「母の友(1989年1月号)」に掲載されたものを、1990年に株式会社クロスロードで出版し、更に、それに若干の改訂を加えて刊行したものです。  固定観念に縛られず様々な視点を持つ、たかどのほうこ(高楼方子)さんの今回の作品は、一見、それが当たり前のように感じながら、「...

 本書は、「母の友(1989年1月号)」に掲載されたものを、1990年に株式会社クロスロードで出版し、更に、それに若干の改訂を加えて刊行したものです。  固定観念に縛られず様々な視点を持つ、たかどのほうこ(高楼方子)さんの今回の作品は、一見、それが当たり前のように感じながら、「あれっ?」と考えさせられる、人の尊厳について教えてくれる児童書です。  ふたごのゆきだるま「るん」と「ぷん」が、一つのお家で仲良く暮らすという、夢のある光景には、とても微笑ましいものを感じるが、中身は、現実味のあるシリアスさが含まれており、その要因として、ある一つの決まり事があった。  それは、朝目覚めた時に、赤と青、二つの帽子のどちらかを被ることで、その日の名前と役割が決まることであり、赤は「るん」となって、働かなければならず、青は「ぷん」となって、「るん」を歌い踊りながら励ますという、この不思議なルールは、当然のことながら、どちらも毎日「ぷん」になれればいいなと思っているので、ずっと眠らずにしていようとか、電気を消す係を自ら志願して、消した後にこっそり、青い帽子を自分の側に引いておくといった、せこい考えまで芽生えてくるような、そんな日々が繰り返されたが、毎回、タイミングよく早起きすることが出来なかったため、これまでは、上手い具合にそれぞれの役割を兼ねることが出来ていた。  ところが、ある朝のこと、二人が同じタイミングで青い帽子を掴んでしまい、それを譲らずに引っ張り合っていたら、帽子は半分に千切れてしまい、あらあら、これはどうするのだろうと思っていたら・・・。  なんと、その半分に分かれた帽子を、それぞれが頭に載せ、両方「ぷん」となることで、最初はお互いに励まし合っていたが、「るん」もいないことから、その必要もなくなって、後は自由に遊び放題となり、喜んでいたのも束の間、内心ではお互いに、「るん」になってくれないかなという、都合の良い願望を抱いていたら、ひとつ良い考えが閃いた。おっ、やっと自分が「るん」になるよと言うのかと思ったら。  しかし、その考えは、新たに雪だるまを作って、そいつにやらせたらいいという・・・リアルですよね、この一度堕落したら、後はそのまま転げ落ちていきそうな感じといいますか、なんだか、ある人生の縮図を映しているようにも思われて、切ないが、取りあえず、完成した雪だるまに赤い帽子を被せて、さあ、どうなるのか?  そして、案の定、その雪だるまは、「ぷん」たちのスキーを履いて楽しそうに滑り出し、それを見た「ぷん」たちは、「きみは 『るん』だぞおっ! 『るん』は、そんなことしちゃいけないぞおっ! 『るん』は、おいしいものをつくるんだぞおっ!」と言うものの、「うるさいやーい! ぼくは『るん』なんかじゃなくて、『ぶん』て いうんだーい! スキーしたって いいんだぞおっ!」と、全く聞き入れず、更には、お腹が空いたから何か食べさせてくれとお願いする姿に、二人は、「ゆるせないっ!」、「あんな わがままなやつ はっじめて みた!」と腹を立て、その後、自分たちで食べ物を作るものの、それを一口も「ぶん」に食べさせないで見せつけることにより、悲しみを覚えた「ぶん」は、赤い帽子を半分に引き千切って、二人の頭に投げ返し、一人寂しく、どこかに行ってしまった。  二人の「ぷん」が腹を立てたことは、一見、正当に思えながらも、その決め事は、あくまでも彼らの中だけのものである上に、役割だけではなく、名前を与える行為には、まるでその人自身の人間性や存在自体を否定するようにも思われて、このような自分の価値観を無意識に押し付ける様子には、学校生活に於いて、理不尽に決め付けるような幼さを感じさせながらも、それは現代社会に於いて、大人が当たり前のような顔をして繰り広げている、自分は楽して他人に上手いことやらせるといった、道徳観を問い掛けているようにも思われて、子どもの場合、まだその意味するところを理解していないから良いようなものの、これを大人がしていると、はっきり言って笑えないものがあって、それならば、一人ではなく一緒にやりましょうとか、役割云々ではなく私がやりますといった志願制に臨機応変に対応するといった、そんな自由さが欠けている点には、世の中の閉塞感も含ませているようで、児童書でありながらも、それだけでは終わらない、たかどのほうこさんの鋭い指摘が印象に残る。  そして、二人の「ぷん」は、その後どうなったのかというと、勿論、最後まで凝り固まった頭ではなく柔らかい思考法により、新たな気付きを得たことで、最後には、「ぶん」への申し訳ない気持ちも持ってくれて、爽やかな終わり方となりましたよ。

Posted by ブクログ

2020/10/14

ゆきだるまのるんとぷんの赤と青の帽子が破れたところが大変だと思った。 最後にぶんのこたつに入ったところが気持ちよさそうだった。

Posted by ブクログ

2020/02/24

最後もいいのだけれど、私としては、帽子で毎日入れ替わるって、いいなぁとw こたつがひんやりというのに、にやり。

Posted by ブクログ

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