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楽しき没落 種村季弘の綺想の映画館
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 論創社 |
発売年月日 | 2004/11/20 |
JAN | 9784846004873 |
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楽しき没落
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去る8月29日が三回忌、なんと月日の経つのは早いものでしょう。 種村季弘は、10歳の私がトマス・モアの類書のつもりで近づいた『怪物のユートピア』(1974年)に出会って以来、リアルタイムじゃなかったけれど、小学生からの背伸びした読書として、澁澤龍彦や山口昌男や荒俣宏らと並んで私...
去る8月29日が三回忌、なんと月日の経つのは早いものでしょう。 種村季弘は、10歳の私がトマス・モアの類書のつもりで近づいた『怪物のユートピア』(1974年)に出会って以来、リアルタイムじゃなかったけれど、小学生からの背伸びした読書として、澁澤龍彦や山口昌男や荒俣宏らと並んで私の知的宇宙への旅のコーチの一人でした。 全著作を揃えているつもりが、こうして時々抜け落ちている本を発見しては悦楽の境地にいます。 しかも、それが映画の本とあっては尚更のこと。 そして彼は、映画好きの純真な小学生に文芸・名作映画をはるかに逸脱して、B級・猥褻・危険な映画を手ほどきしてくれた三人のチョイ悪親父の内の一人でもありました。(ちなみに、あとの二人というのは、紛れもなく平岡正明と四方田犬彦であります。) 彼らに会わなければ、もっと私は清廉潔白な純情可憐な乙女のままでいられたはずなのに、と思うと、ざんきに耐えませんが、まあ今となっては、心から感謝しております。 澁澤龍彦が学者肌で純理論っぽいのに比べて、種村季弘は猥雑な胡散臭い感じで「女性自身」の編集者だったり映画監督になり損ねたりして、親しみやすい横丁のご隠居という感じでした。 残念ながら、この本は19本のエッセイの内の14本が既刊の『怪物のユートピア』『夢の覗き箱』『死にそこないの美学』で収録されたことがある、ほとんどアンソロジーといっていいものです。 ただ、生前に著者によってすべて加筆・修正がなされた、とありますから、60年代70年代の論考であっても今の息遣いが聴こえてくるはずです。 いえ、待ってください、2004・11発売ですから、なんと亡くなった年です。頂点の思考がここにあるという訳です。 もうひとつ、うかつにもいま気づきましたが、巻末の「奇想の映画館」と題する44頁にわたるインタビューは、この本のために企画された貴重なもので、映画にまつわる彼の秘密を吐露して魅力溢れる一編であり、まさに種村季弘の真骨頂ここにあり、という見事な最後のダイアローグなのです。
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