透きとおる扉の向こう 羽住都画集

羽住都(著者)

• 販売会社／発売会社: 朝日ソノラマ
• 発売年月日: 2004/11/30
• JAN: 9784257036951

商品レビュー

2011/12/21

Qは、絵が好きである。

とくに、水彩画が、好きだ。

あの、水によって表現される、「透明感」みたいなのが、とても、好きなのである。

ただ、油絵も、デッサン画も、水墨画も、そのほか、どんな手法で描かれたものでも、好きな絵は好きなので、たんに、絵が好きなだけかもしれない。

＊＊＊

羽住都さんの絵との出会いは、Qが、遠距離列車に乗る直前、発車時間にせきたてられながら、駅構内の本屋さんで手に取った、乙一さんの本だった。

『失踪HOLIDY』という本である。

その本の、口絵として描かれた、これまでに、見たことがなく、「ああ、こうした絵が、見たかった！」というような、羽住都さんの、カラー絵に、感嘆した。

水彩画なのに、その尋常でない、緻密な描きこみや、人物の仕草、バランス、さりげなくちりばめられた、ユーモアのセンスなどに、「はああ……」と、ひたすら、ためいきをついた。

乙一さんの作品世界を、絵として、ここまで表現できる、もしくは、羽住都さんの絵の世界に、乙一さんの文章を見事に溶け込ませてしまう、そのセンスに感動した。

（言い回しが、回りくどくて、すみません。乙一さんの本は、ミステリなどの要素を多く含むので。その内容に影響を及ぼさず、むしろ、その世界を豊かにする方向へ表現する、というのも、すごいです。）

羽住都さんの画集、「透きとおる扉の向こう」では、まさに、羽のような柔らかいタッチと、透明感にあふれる絵の数々が、堪能できる。その、ファンタジックなイメージの万華鏡は、おそらく、羽住都さんの心の中に描かれる、優しい世界なのだろう。

（すみません、ただ、いっこだけ。Qを、いっぱつで「とりこ」にしてしまった、「しあわせは子猫のかたち」の、冒頭の口絵、「青年と子猫」の絵が、できれば、見たかったです。羽住都先生、なにとぞ、次の画集に、収録して下さい。お願いします。）

あと、どうでもいいが、Q、どうしても、羽住都さんの画集が見たくて、でかい街の書店に行った時、店員さんに尋ねたところ、いっしょに探して下さり、「どうやら、ここには、ないようです」とのお返事だった。あきらめて帰り、数年後に、同じ書店の棚でこの画集をみつけ、速攻で購入し、ページをめくるごとに、羽住都さんの美しい絵に、ため息をつきまくった。今考えると、Q、そのときは、まだ、出版されていなかった、この画集が、当然あるものと思いこんで、探していたらしい。（……結果、オーライ）

「透き通る扉」の向こうに広がる、優しく美しい鳥たちの、透明な羽で描かれた世界。

2009/06/12

ため息の出る美しさ、繊細さ。
せっかくなので全てフルカラーで（一部モノクロ）掲載して欲しかったです。
この画集は絶版となっているため、ブックオフでたまたま発見したものを購入しました。

2006/12/25

タイトル通り透きとおってます。
乙一の挿絵で有名になったのかな？
凄く綺麗な絵を描く人だと思いました。
まさに芸術です。