歴史教科書をめぐる日韓対話 日韓合同歴史研究シンポジウム

歴史学研究会(編者)

• 内容紹介: 内容:日韓共同シンポジウム 和田春樹述. 歴史教科書問題の背景:日本の歴史教科書の歪曲と歴史認識の問題点 崔柄憲述. 『新しい歴史教科書』再考 安田常雄述. 問題解決の糸口をさぐる:扶桑社刊行の歴史教科書の問題点 安秉佑述. 日韓歴史教科書の古代史叙述をめぐって 李成市述. 東アジア華夷秩序と日韓関係の転回 木村直也述. 韓国の歴史教科書編纂制度と教科書の内容 徐毅植述. 東アジアの共生と歴史教科書問題のこれから:日本における教科書問題の最近の動向と課題 石山久男述. 広がる対話、深まる論議 鄭在貞述. ドイツ・ポーランド間の歴史教科書協力が韓日間の歴史的和解のための平和教育に与える教訓 韓雲錫述. 日韓歴史学会合同シンポジウムによせて 荒井信一述
• 販売会社／発売会社: 大月書店/
• 発売年月日: 2004/11/19
• JAN: 9784272411603

商品レビュー

2011/08/25

今日は授業で、歴史の教科書問題について議論しました。
テーマは外国からの教科書修正要求に耳を傾け、修正に応じるか、それとも日本の問題だとして退けるかという内容でした。

難しい内容ですね…
簡単に答えが出ないですし、議論もなかなか先の見えない感じでしたが

どんな話が出たか要約すると…

歴史は本来学術的なものである。でも歴史教科書になると政治的な問題になってしまう。ということ。例えば韓国や中国は教科書に修正を求めてくる。
しかもそれは国レベルで修正を求めてくるし、戦争の保障にも絡んでくる。

尖閣諸島や竹島も歴史の問題で教科書にもかかわってくる。

そこで、学術的なレベルでの解決がまず先で、その後に政治的なレベルになるほうが、政治が学問や教育に影響するよりいいのではないか？という話になりました。

どういうことかというと、まずはお互いの主張する「歴史」を学者など民間のレベルで検証する。(会議やシンポジウムなど)
そこである程度お互いが納得できたら教科書問題として、政治的な問題とする。

ところで、皆さんは歴史とは定まった事実であるという認識はありませんか？
歴史は正しい、決まっている。そんな思いはあるでしょう。

でも歴史とは膨大で未知の世界である過去の一部をとりだしたものでしかないのです。過去は未知の世界なのです。

自分史を作ると想像してみて下さい。自分の体験した過去ですが、意外とあいまいだと思いませんか。

歴史ならなおさらです。歴史の教科書に書かれていることはたしかに、学問的に検証されています。でもそれが本当に正しいのか誰にもわかりません。私たちは誰かが作った枠組み(例えば歴史教科書)を使って過去を見ているのです。

今僕は歴史を専攻していますが、何をするかというと、誰かが作った枠組みを比較・参考にしたり、修正したりして過去の世界を再構成しようとしているのです。
そう、それが自分の歴史観を作るということです。自分の価値観をつくるのと似ていますよね。

そんなあいまいな歴史。国によって過去を見つめる枠組みが違うのですから、お互いの主張する歴史が異なるのは当たり前です。だから大事なのはそのあいまいさを自覚したうえで、お互いが客観的に過去をみつめ、歴史に反映していくことです。

ヒトラーのナチスが猛威をふるったドイツとその隣国ポーランドは、半世紀かけて共同の教科書を作り、ある程度和解することができました。

しかし日本と韓国、中国の教科書問題はそれよりもっと解決が難しいといわれています。

歴史はあいまいであるという認識を持って教科書問題を見れば、また違った視点を持つことができるのではないでしょうか？