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自分で調べる技術 市民のための調査入門 岩波アクティブ新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店/ |
発売年月日 | 2004/07/06 |
JAN | 9784007001178 |
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商品レビュー
3.3
15件のお客様レビュー
本書が出版されたのは2004年。(手元にあるのは2008年の10刷) 本書の出版当時よりもなおさら「調べる」という作業におけるインターネットの比重が大きくなっていて、それ以外に発想しようがないぐらいにまでなっている人も多いのではないかと思う。 本書は「資料・文献調査」「フィール...
本書が出版されたのは2004年。(手元にあるのは2008年の10刷) 本書の出版当時よりもなおさら「調べる」という作業におけるインターネットの比重が大きくなっていて、それ以外に発想しようがないぐらいにまでなっている人も多いのではないかと思う。 本書は「資料・文献調査」「フィールドワーク+アンケート調査」「まとめかたとプレゼンテーション」という形で、市民が自ら何かを調べる際に取り得る方法の全体像を解説する。 「資料・文献調査」としては例えば雑誌記事や論文、書籍、新聞記事、統計データ、インターネットなどの具体的な調べ方やそれぞれのメリットの解説がなされている。具体的な情報源が示されていたり、練習問題がついていたりとリテラシーを高めるための工夫が織り込まれている点も良いし、実際問題として重要だと感じるのはそれぞれの調べ方に「メリット・デメリット」があることを理解することでしょう。 フィールドワークについてもそうで、アンケート調査がフィールドワークの章の中に含まれているのだが、市民活動団体では気軽にアンケートがなされることが多いが、アンケートは簡単なものではなく、設計を十分にしていないアンケートから導かれる数字は単なる調査もどきにしかならないという点をはっきり指摘します。 ただ、一方でアンケートの効用についても触れている点が良い。アンケートをすることで意見の多様性やポイントに調査者自身が気付くというフィールドワークの一環としての効果があるということ。これは市民活動団体では確かに必要なことだと感じる。ごく少数の当事者に触れることで始まる活動が多く、それ自体は全く間違っていないが、それを社会課題化するアプローチを取るのであれば、それなりの手順をきちんと踏むべきであり、その手順にはそれなりのしんどさもあるけれど、必要なことだと学ぶことのできる一冊です。 2020年10月に岩波新書から『実践 自分で調べる技術』という改訂版?が出ているようなのでそちらも読んでみたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
社会は複雑になり、決めなければいけない事が一人ひとりではカバーできないくらい多岐にわたるようになり、それにともなって、それぞれの分野にくわしい専門家というポストがつくられ、彼らが決定を下すシステムになってきた。ゆえに、現代において社会を作っているのは、見ようによっては断絶された一人ひとりの専門家の決定である。それを、少しでも市民の手に取り戻したらどうだろう、と著者は言うんですね。自分で自分の社会をつくる、そういった自律性を取り戻すことって、実は大事なんじゃないかということです。僕個人の考えとしても、生活から他律性をできるだけ除くことで、幸福感は増すものだとしているので、著者のこちらの考えにも納得はいくところはあります。本書の入門書としての性質は、小学六年生くらいから参考にできそうな水準だと思います。第二章の文献などにあたることについての解説などは、本当に分かりやすく、そして簡単でした。しかしながら、本書はちょっと古いので(2004年刊)、インターネットやパソコンのソフトを使うところでは、もはや時代遅れになっている部分はあると思います、スマホなんて文字すら出てきませんし。それでも、調査するノウハウとしての基本姿勢として踏まえておける基礎であることはたしかでした。そうなんですよね、本書は、基本中の基本を扱う種類の入門書で、ぜんぜん難しくありません。ときに練習問題が出てきて、それを愚直におこなうと面倒ではあるでしょうけど(僕はやらなかった)、すんなり読めるし、第三章のフィールドワークのあたりからは、ぐっと本筋に入ったような気がして面白かったです。フィールドワークまでいくかいかないかが、調査しているかしていないかの分かれ目と言えるくらいのところだと思います。そこのところを解説してくれるのは、非常にありがたくもあり、でも実際に、個人としてなにか調べたいと思ってフィールドワークをするのは、変わった人だと思われそうで腰が重くなります。僕は小説を書くので、そのために調べものをする必要って今後もでてきますけど、なかなかフィールドワークまでは……となってしまう。そこが勝負の分かれ目なのかなと思ったりもしました。文献調査をして、フィールドワークをして、まとめて。そういったサイクルを延々と続けていくうちに、調査目的のものが、だんだんくっきりしてくるそうです。一連のそういった連環作業が、調査目的のひとつの答えを磨きあげます。また、そういった調査行動と、それらを概念かする思考も、往ったり来たりを繰り返すものなんです、と説かれていました。その往復運動も際限がないようなもので、まるで人生だなあと思うのでした。
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ネットを使えばなんでも簡単に調べられると思ってはいるが、いざ欲しいデータがなかなか探せなかったので、この本に書かれている「検索サイト」は使えそうだ。 また単なる検索サイトの紹介だけでなく、情報の洪水を取捨選択し、自分で考える力を養う姿勢も書かれている。 中でも「アンケート調査の功...
ネットを使えばなんでも簡単に調べられると思ってはいるが、いざ欲しいデータがなかなか探せなかったので、この本に書かれている「検索サイト」は使えそうだ。 また単なる検索サイトの紹介だけでなく、情報の洪水を取捨選択し、自分で考える力を養う姿勢も書かれている。 中でも「アンケート調査の功罪」の章は興味深い。当たり前のように行われているアンケートに実は多くの誤りがあることに気づかされる。思わず”あるある”と笑ってしまった。
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