サウジから世界が見える モスレムと共に23年

東藤覚(著者)

• 販売会社／発売会社: 本の泉社/
• 発売年月日: 2004/07/12
• JAN: 9784880238548

商品レビュー

2018/02/05

私もサウジアラビアには何回か行っていて、サウジ人のことも大好きなので、筆者がサウジへの敬意や愛を持って書いているのに共感、感動した。
サウジアラビアはなぜか悪く書かれることが多いので、こういった事実、経験に基づいて書かれた本は貴重。

最後の方はこの執筆にあたっていた頃がちょうどイラク戦争の時期だったので、イラク戦争がいかにおかしいかという話になっているが、前半部分はサウジアラビアの日常生活が書かれていて、非常におもしろい。

備忘録
筆者はサウジアラビアで自動販売機を導入。とにかく暑くて乾燥しているサウジ。喉も乾く。
アメリカ製の自販機がコインしかはいらず、おつりも出ないことを知り、サウジリヤルを認識する自販機を日本メーカーが開発、販売した。ペプシの本体はそんなものは自分たちでできると言って拒否したが、その下の各地域の会社はサウジ人がオーナーであり、説得できると考えた。案の定、うまくいき、日本製自販機でサウジ人が喉を潤すことになる。

イラク戦争はアメリカがイラクの石油を実質的に支配したかったからやっただけ。大量破壊兵器があるという大義名分をかかげて、攻め込んだ。
トルコの国会が最後の最後で、米軍の通過を拒否。
アナン事務総長は侵略以外のなにものでもないと非難。
残念ながら日本は支持。
イスラムは宗派でバラバラと思われていたが、米軍を前に、同じムスリムの結束が強まった。