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百年佳約
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 2004/07/05 |
JAN | 9784062124218 |
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百年佳約
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秀吉の朝鮮出兵で拉致され、九州皿山で龍窯を開いた陶工の長・辛島十兵衛こと張成徹の死後、朝鮮人として朝鮮式葬儀で送ろうとする妻・百婆と、参列する藩重臣や今後の生活を考え和式の葬儀を執り行おうとする長男・十兵衛の争いを描いた『龍秘御天歌』の続編。 百婆は死んで神となり、山上の墓から一...
秀吉の朝鮮出兵で拉致され、九州皿山で龍窯を開いた陶工の長・辛島十兵衛こと張成徹の死後、朝鮮人として朝鮮式葬儀で送ろうとする妻・百婆と、参列する藩重臣や今後の生活を考え和式の葬儀を執り行おうとする長男・十兵衛の争いを描いた『龍秘御天歌』の続編。 百婆は死んで神となり、山上の墓から一族を見守る。折しも下界では息子・十蔵がその子供たちの嫁取り婿取りをめぐり、日々思案を重ねていた。これまで通り仲間内で絆を固めるか、日本人と結婚して渡来の未来をひろげるか。可愛い子孫の「百年佳約」=結婚成就のため、百婆の活躍。 と言いつつ。この神になった百婆、あまり力も無い割に捧げ物を飽食したり、何やら人間めいていて妙に可笑しいのですが。百婆の孫達(長男の2人の息子と娘、二男の娘)の結婚話はと言えば、孫たちのさほど深くもない想いに収まり、さほどドラマチックな展開は無い。その当たりはちょっと肩透かしです。 やはり興味深いのは(その時代の?)半島出身の人々の生態というか風習。母が死ねば長い服喪、百日間は粥しか口にせず、毎日墓に通っては哭(号泣しながら声を出して哀しみを訴える)を行う。形式ではあろうが、それを貫く事によって自分の心を変えて行く。個より家を重視し(結婚は家がするもの)父母には絶対服従。逆に祭りとなれば女性はチマチョゴリで美しく装い飛び板(シーソー)で高く飛び、鞦韆(クネ=ぶらんこ)で舞い上がる。結婚前は人前に出ることさえ許されず大人しい娘が、結婚後は虎となって亭主をやり込める。そんな風習を描きながら物語に独特の雰囲気を作り上げて行きます。そこは見事です。そういえば中国雲南省を舞台にした『雲南の妻』や九州の離島の『飛族』、姥捨て山の『蕨野行』、廓を描いた『ゆうじょこう』など、村田さんの作品にはしばしば異界めいた重いバックが描かれますね。そこが村田作品の大きな魅力のようです。
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強制的に日本に移住させられた朝鮮陶工の一族の結婚の話。実在の人物をモチーフにした百婆の存在感は、その死後”神”になってからも健在。作中の人物を貫く思想は、家父長制と陶工の仕事が癒着していたり、結婚して実子を残さないと親不孝…という、少々現代の感覚からは遠いものであるが、その分かえ...
強制的に日本に移住させられた朝鮮陶工の一族の結婚の話。実在の人物をモチーフにした百婆の存在感は、その死後”神”になってからも健在。作中の人物を貫く思想は、家父長制と陶工の仕事が癒着していたり、結婚して実子を残さないと親不孝…という、少々現代の感覚からは遠いものであるが、その分かえって迷いはなく、”虎”のようにたくましく生きる女性たちの描写が面白かった。家父長制と仕事が融合していて地獄、という点ではGame of thronesに近いかもしれない。 嫁の顔面の美しさと処女性に拘る男の描写が複数回あるが、これって現代の韓国にも通じているんだろうか?
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前作『龍秘御天歌』は葬式、本作は結婚が主題。渡来陶工の一族のグランドマザー格・百婆が亡くなり、本当に一族を見守る神になったところ、年頃の孫達の結婚話が持ち上がって、百婆は可愛い孫達の幸せのために生者達の結婚話にあれこれと手出しをしていく。 渡来人の立場から、殊に渡来一世の百婆に寄...
前作『龍秘御天歌』は葬式、本作は結婚が主題。渡来陶工の一族のグランドマザー格・百婆が亡くなり、本当に一族を見守る神になったところ、年頃の孫達の結婚話が持ち上がって、百婆は可愛い孫達の幸せのために生者達の結婚話にあれこれと手出しをしていく。 渡来人の立場から、殊に渡来一世の百婆に寄り添う視点で描かれるため、渡来人と日本人の文化、習俗について、必ずしも相対的なものになっていない感じで、途中まで所々一寸もやっとする(のは自分におおらかさが足りないのだろうか?)。 生きている者達の結婚のみならず死者の結婚まであったり、若者達の結婚も親の思惑からはずれてばかりで二転三転したりと、物語は面白かった。何やかやあったものの孫達全員幸せを得られそうでよかった、よかった。 結婚式や結婚後の生活があっさりし過ぎてる感じで一寸もの足りず、その辺りもう少し描写してもよかったんじゃないかと思った。
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