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ロシアの軍需産業 軍事大国はどこへ行くか 岩波新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/ |
発売年月日 | 2003/07/18 |
JAN | 9784004308454 |
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ロシアの軍需産業
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商品レビュー
3.4
7件のお客様レビュー
学生時代からソ連の軍事力に関心があったので、ソ連崩壊後のロシアの軍事をレポートしたこの本は大変興味深く読めました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2003年刊。 著者は高知大学人文学部助教授(元朝日新聞モスクワ特派員、95~98まで)。 読後感は、久々に当たりの書だが、難しいというもの。 そもそも本書は、ミクロ経済学、或いは制度経済学(経済法学や組織法学に親近ある領域か)の手法で、ロシア軍需産業の内実と変遷を分析する書だ。 ただ、この分析の前提として、本書はソ連の軍事物資製造の企業体の具体的様相を叙述する。 これらはソ連の企業、組織、組織構成に関する企業法学そのもの。換言すれば、ソ連的な国家的共産主義の末端企業の仕組みとも言える。 例えば、ソ連のアルミ・メーカー。この企業は、どう具体化に組織され、原材料や完成品・製造品を売買し、在庫を保管していたか、その時のルールは。帳簿の付け方はどうか。こういうやり取りの基礎的な知識にあたるものだ。 ところが、この点で日本の会社法・租税法・監査会計ルール等の諸制度との違いが甚だしい。つまり企業という言葉の意味が、日ソでは全く違うことが判ってくるのだ。 例えば、日本その他資本主義国では、租税という方法で、私企業保有の富を国庫に吐き出させる。それを用いて国家は運営のための財を獲得する。 しかし、ソ連は違う。軍事優先、戦争への即応体制を確保するという戦争経済の維持を前提としつつ、「黙示的課税」と著者が定義づける手法で、財を国家が獲得するということなのだ。 だが、これが判らない。かように変化前が判らない。結果としして、変化後も判らない事態に至り、当然、ロシア企業の資本主義化転換の失敗の要因も上手く捉えることが困難である。 これが本書の難しさの要因なのだ。 とはいえものの、そこが本書の面白さでもある。 そもそも、ソ連の企業体の具体的有り方を実態に即した制度として論じた書がどれほどあったろうか。 個人的な管見の狭さはあるが、新書では初めてとの感である。そういう意味では価値が高く、再読不可避の一書といえそうだ。 こういう限界はありつつ詠み進めると、ゼロ年代ですら、日本の企業法や会計・監査のルールにつき、ロシアとは相当異質だという印象が残る。そういう中で、そもそも日露企業による合弁は可能なのか?。日本企業のロシア、特にシベリアなど極東ロシアへの経済進出は可能なのか?という素朴な疑義も生まれたところである。 ◆不明点。 ① 資本主義経済は企業の私的所得と公的所得を分別する。 他方、ソ連型国家共産主義では、価格統制と国有化を通じ、企業の私的所得と公的所得の境界線を曖昧にする。これ如何?。 ② ソ連型共産主義企業においては、購入価格を低く、販売価格を相対的に高めに公定価格を設定する。 その差額を国家が上がりとして取る。 → これは国家が全般的に卸売業をしていることなのか?。 ③ この差額(広義の利潤。ただし帳簿上にすぎない)の吸い上げは、取引税徴収と利潤控除による →帳簿上だから、帳面上のただの付け替えなのか?。 ④ (帳簿上の)利潤残額も、当該組織体に使途の自由はない。 →利潤は帳簿上のものというのであれば、使途の自由なしとは帳簿操作が不許だという意味。それとも、現実の利用禁止?。
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数字や単語を列挙する形で内容が進み、 筆者の主張や論旨が具体的につかみにくいため難しく感じた。 四章や終章はやや読みやすく、現状と今後の課題を把握できる。
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