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林芙美子随筆集 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2003/02/14 |
JAN | 9784003116913 |
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林芙美子随筆集
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商品レビュー
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小説だけでなく、随筆…
小説だけでなく、随筆も。当時の日々の暮らしや出来事を覗くことが出来ます。
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3冊目。次は何を読もうかと迷ったが、著者のことをもっと知りたいという思いもあり、随筆集を手に取った。 13歳の女学校の時、鈴木三重吉の「瓦」を読んでいるのを当時の校長に「此様な社会の暗黒街を知るような本を読んではいけない」と咎められた… この随筆集に散りばめられた、歯に衣着せ...
3冊目。次は何を読もうかと迷ったが、著者のことをもっと知りたいという思いもあり、随筆集を手に取った。 13歳の女学校の時、鈴木三重吉の「瓦」を読んでいるのを当時の校長に「此様な社会の暗黒街を知るような本を読んではいけない」と咎められた… この随筆集に散りばめられた、歯に衣着せぬ当時としては斬新な言動の数々(編集者、出版のあり方から、子どもには付録つきの雑誌を与えるのではなく子ども用の岩波文庫のようなものを読ませたい…など)の出発点はすでに女学校の頃から磨かれてきたものなのだということを知ることができ、彼女の生き方に改めて感銘を受けた。 余談ですが、先日、佐伯祐三氏の作品展を見る機会があり、彼の作品にアトリエのあった「下落合の風景」そして「パリの下町の風景」をモチーフにした絵をたくさん見ることができた。林芙美子氏の生活範囲、行動範囲と重なる部分が多く、不思議な縁を感じるとともに楽しむことができ、ラッキーだった。
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林芙美子って本当に人生の旅人だったのだなと思う。林さんの目を通して、知らない土地や知っている土地でももはや過去の土地となってしまった場所を一緒に旅をしている気分になる。 例えば京都。 朝なので、駅の前はしっとりしていて気持ちが良かった。ホテルの旗を立てた人力車が何台も並ん...
林芙美子って本当に人生の旅人だったのだなと思う。林さんの目を通して、知らない土地や知っている土地でももはや過去の土地となってしまった場所を一緒に旅をしている気分になる。 例えば京都。 朝なので、駅の前はしっとりしていて気持ちが良かった。ホテルの旗を立てた人力車が何台も並んでいたりする。東京には人力車なんてなかったが、京都は人力車が随分多い所だ。 縄手の西竹という小宿に行った。…… 荷車に花を積んだ花売りが通る、赤い鉢巻きをした黒い牛が通る。朝の往来はすがすがしかった。わたしの部屋は朝だというのに暗くて、天井の低い部屋だった。……… 障子を開けると、屋根の上に台がこしらえてあって、幾鉢か植木鉢が置いてある。白い花を持った躑躅や赤い桃、ぎんなんの木、紅葉、苔の厚く引いた植木鉢が薄日を浴びて青々としていた。庭が狭いので、屋根の上に植木鉢を置いて楽しむ気持ちを面白いと思った。如何にも京都の宿らしいと、私は屋根の上にある桃の木を両手にかかえ、机の上に置いて眺めた。…… 林さんの目線で書かれた当時の京都は、いかにも“京都観光者”としての目線ではなく、いち生活者、いち放浪者の延長線で見たものを捉え、その結果、私が現在の姿をよく知っている町の当時の姿がまるで外国か絵本の中の町のように可愛らしく描かれている。 そう、林さんの旅は観光ではない。生活苦を伴う放浪だ。 「放浪記」が世に出る前、お金が無くて、浴衣まで売り払い、水着姿で洗濯していたら、改造社の人が後ろに立っていて、雑誌「改造」に林氏の「九州炭鉱街放浪記」を載せてくれるという知らせを持ってきてくれた。これがヒット作「放浪記」のきっかけとなった。 「放浪記」が売れ、印税が入るとすぐに支那経由でシベリア鉄道に乗り、パリ、ロンドンへ旅立ってしまった。すごいなと思う。私ならやっとこれで腰を落ち着けて、まずは家を建ててこれから本格的に作家生活を始める礎を築こうとするだろうけれど、そうしないのは、林さんが根っからの“放浪者”であり、その生き方を貫くのは本物の“文豪”だからだ。 パリから帰る旅費がなくて、出版社の人に旅費を送ってもらって無事帰国した林さん。パリ帰りといってもお高くとまっていないのがいい。 パリで食べた朝ごはんの話をして、米の朝ごはん、パンの朝ごはん、それぞれ何を載せて食べるのが美味いかという話を延々と書いている「朝御飯」。 “洗いざらしの紺絣は人間を凛々しくみせます”という「着物雑考」。 半紙を買ってきて、赤い色紙を表紙にして、木綿糸で綴じてつくった“覚え書き帳”に書き留めたとりとめもないことについて書かれた「古い覚帳について」。 どれもこれも生活臭があっていい。 個人的にとても興味を持ったのは、「我が装幀の記」。美しい本の装幀を見ることは好きだが、世にいう“豪華本”は好きではないという林さん。林さんの好きな本は“真っ白い紙”を使っていて、“芯にボール紙を入れない柔らかい表紙”で、“ルビや罫はあまり使っていなくて”、“ベタベタと絵が描かれていない”本だそうだ。昔の和綴じの木版本が柔らかくて便利だったと書いている。 今は林さんの時代からかなり進歩し、ベタベタ豪華な印刷や丈夫な製本も出来、大量に発行出来るようになったが紙の本は売れなくなってしまった。“木版本”にまで戻ることは出来ないが、林さんの文章の中に紙の本の良さを見つめ直すヒントが隠されているように思う。
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