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多文化世界 岩波新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2003/06/20 |
JAN | 9784004308409 |
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商品レビュー
3.4
14件のお客様レビュー
青木保 「多文化世界」 多文化世界を構築して 文明衝突を避けようとする思考実験の本と捉えた。とても良書〜文化人類学は 世界を変える学問だと思う バーリンの文化多元主義(プルーラリズム) と ナイの ソフトパワー論 を主テキストにした2部構成。前半は多文化世界の概要を論じ、後半...
青木保 「多文化世界」 多文化世界を構築して 文明衝突を避けようとする思考実験の本と捉えた。とても良書〜文化人類学は 世界を変える学問だと思う バーリンの文化多元主義(プルーラリズム) と ナイの ソフトパワー論 を主テキストにした2部構成。前半は多文化世界の概要を論じ、後半は どのように文化度を高め、多文化世界を構築していくか論じている 国際政治学者 ハンチントン が提示した文明衝突論(異なる文明間の衝突は避けられない)に対して、多元主義とソフトパワー論を用いて反論している 著者の結論 *現代の国家、社会、人間の取るべき態度は 異文化理解を基礎として、多元主義を認識し、協調と説得を ひたすら行う *それぞれの文化が 文化度を高める努力をすることによって、一つのグローバルな多文化世界を構築する 2000年沖縄サミットにおいて「文化の多様性」が21世紀の一層の繁栄のテーマとなっていることを初めて知った
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著者は文化人類学者。仏教国タイについての理解を深めるために、出家してタイの僧院で修行したエピソードは、目新しくて興味深く読んだ。民族.宗教.地域.言語が異なる異文化への理解を深めることで、自国の文化も深く理解でき、他者との相互理解に基づく深い交流が可能になるという。これからの未来...
著者は文化人類学者。仏教国タイについての理解を深めるために、出家してタイの僧院で修行したエピソードは、目新しくて興味深く読んだ。民族.宗教.地域.言語が異なる異文化への理解を深めることで、自国の文化も深く理解でき、他者との相互理解に基づく深い交流が可能になるという。これからの未来を生きる全ての人にとって、今後の大きな課題の一つだと感じた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2003年の出版の本。 911以降の世界を文化人類学の観点から考える、みたいな感じかな? 大きく2つの部分になっていて、前半は、バーリンの議論を踏まえた文化の多様性と相互理解の可能性みたいな話で、後半は、ジョセフ・ナイの議論を踏まえた文化政策?みたいな話。 前半で紹介されるバーリンの議論がとても面白い。 プラトン的な世界観に基づいて、良かれと思ってやることが、結局のところ、全体主義に行き着いてしまうという構造。それに対抗しうる思想家として、マキャベリがいるという。。。。評判の悪いマキャベリが、なぜか多文化世界につながっているという不思議。 自文化中心主義的で、他者に自分の文化を押し付けようとすることの問題はいうまでもないが(とはいえ、それって今でもたくさんあるんだよね)、文化相対主義も危険性を持っている。 全ての文化が相対的であると、私はこういう文化なんです、という開き直りを生み、それは他の文化への理解を諦めてしまう可能性がある。単純化すると、他の文化で残虐な行為が行われていてもそれはその国の文化だから、という話しにはならないはず。 文化は、相容れない価値を持っていて、大きな統合には向かわない。だが、それでも、文化間での理解を成立させるためにはどうすればいいのか?「唯一の真理」、「正しさ」はないけど、なんらかの人間の「共通感覚」は、あるはず。 そこをなんとかしようという話は、アーレントが政治哲学でやっていることを文化哲学(?)でやっている感じだな。 最近の問題意識にフィットした一冊であった。 ただし、後半のナイの「ソフトパワー」論を踏まえた議論の展開は、そこまで新鮮な感じはしなかったかな。 問題意識はわかるけど、前半に対して、やや集中力が下がる印象を持った。 バーリン、面白そうだな〜。
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