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司馬遼太郎の「かたち」 「この国のかたち」の十年 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋/ |
発売年月日 | 2003/02/06 |
JAN | 9784167519070 |
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司馬遼太郎の「かたち」
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商品レビュー
3.5
5件のお客様レビュー
最後は日本人に絶望して 亡くなっちゃったのかな? と思えると ちょっと悲しい 市のリユース文庫にて入手
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1.『この国のかたち』は、文芸春秋の「巻頭言」として1986年から1996年、急逝するまでの十年間書かれたエッセイである。それぞれの「時代相」を色濃く映している。 読みながら、私自身この10年間を思いだし、振り返ってみて懐かしくなった。以下のようになる。 87年~91年 バブ...
1.『この国のかたち』は、文芸春秋の「巻頭言」として1986年から1996年、急逝するまでの十年間書かれたエッセイである。それぞれの「時代相」を色濃く映している。 読みながら、私自身この10年間を思いだし、振り返ってみて懐かしくなった。以下のようになる。 87年~91年 バブル 89年 昭和から平成に、天安門事件、ベルリンの壁崩壊 90年 長崎市長銃撃事件 91年 湾岸戦争 ソビエト連邦の崩壊、ユーゴスラビア紛争 92年 ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争勃発 93年 EUが発足 94年 自社さ連立政権 95年 阪神大震災、オウム 日本人はバブルに踊りながらも、世界がどうなっているのか自国がどうしたらいいのか見当もつかず、戸惑い呆然としているような十年であった。 マスコミの困った時の司馬頼みの風潮の中、司馬遼太郎は直接の言及ではなく暗喩によって、国のあり方を説いている。 2.この本の材料の柱にあるのが、「この国のかたち」の原稿に添えられた司馬遼太郎の編集者宛の手紙である。心情が吐露されている。 3.司馬遼太郎を取り巻く様々な人にインタビューをしている。また、司馬遼太郎に対する様々な人の評価を広く渉猟し、多角的に司馬遼太郎像を浮き彫りにしている。 4.司馬遼太郎が「嫌いなのは『正義』であった。好きなのは『リアリズム』であった。」つまり「正義」を押し付けるイデオロギー、「正義」の名のもとの集団ヒステリーが嫌いだったのだろう。右であれ左であれ。 たとえば、竜馬は「尊王攘夷」という圧倒的なイデオロギーに対して、リアリズムから「?」を投げかけた。戦争中の「八紘一宇」「一億玉砕」に苦しめられた司馬遼太郎は、竜馬に自分の理想を投影していたと、関川は見る。 5.したがって、日本の近代、1905年から1945年までの軍が支配した日本、その象徴としての「統帥権の独立」を<異胎>あるいは<鬼胎>と呼んで嫌悪した。 同時に、それを生み出した普通の日本人たちに対しても鋭く批判している。<日本の“国民の熱情的世論”というのは変なもので、何度も国家をあやまらせています。> 6.<小生の辺境趣味も極まれり> 日本辺境論は、内藤湖南、梅棹忠夫・・・司馬遼太郎ときて・・・内田樹と続くのだな。 7.なんと「盧泰愚は司馬遼太郎の読者」だった。韓国のある識者も『小説に出てくる人間が、みんな国のことを考えているんだな』といっている。司馬遼太郎の影響力は東アジアでは結構あったのだ。 8.<私は、日本史の各時代の崩壊期について歴史小説を書いてきたから、いわば新旧の権力という不可解なものが主題だった。このため浮き世の権力に関わる人々――政治家のこと――には接触しないようにしてきた>が、李登輝とは会っている。 9.ベトナム戦争に対して「歴史や政治的正義はそこまで崇高ではない」と言い切った・・・ん~ん・・・わからん。 10.「司馬遼太郎は巨大な作家であった。同時に矛盾を内包し苦衷に満ちた作家であった。」・・・批判本を書くと、それだけでベストセラーになるんだもんなあ。偉大だ。 11.司馬遼太郎の本を読むだけで、数年はかかるなあ。嬉しいなあ。
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晩年「この国のかたち」に日本に対する憂えを著わした司馬遼太郎の生の姿を描いた興味深い書だった。13.7.5
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