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消えた少年たち(上) ハヤカワ文庫SF
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 早川書房/ |
発売年月日 | 2003/08/15 |
JAN | 9784150114534 |
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消えた少年たち(上)
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商品レビュー
4.3
11件のお客様レビュー
住み慣れたヴィゴアを…
住み慣れたヴィゴアを離れ、ストゥベンにやってきたステップと家族。ほのぼのした感じで進んでいくお話が長男が全く笑わなくなり・・・。モルモン教のイメージが変りました。
文庫OFF
ノースカロライナへ引…
ノースカロライナへ引っ越してきたフレッチャー家。孤独癖のある長男スティーヴィにも何人かの友達ができたようだが、彼の話には何かつじつまの合わない所がある。やがて奇妙な出来事が次々に起こり始める。
文庫OFF
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトルと表紙から鑑みるに、複数の少年が消えてしまう話と思われる。 序章替わりの「ぼうず」という章で、なんとなく誰かが少年たちをさらう話だということがわかる。 しかし、本編ではまだ、誰も姿を消してはいない…と思う。 怪しいのは、主人公一家の長男であるスティーヴィ。 ベストセラーのパソコンゲームをデザインしたことのある父が、今や日々の生活にも事欠くほど収入が減ってしまったため、アメリカ南部の片田舎の学校に転校することになった。 元々繊細で大人しいスティーヴィは、南部なまりを聞き取ることができなかったためにクラスメイトと担任の先生にいじめられ、学校に行きたくないと思っている。 東部育ちで標準語を話すスティーヴィに対して、南部なまりのコンプレックスから子どもたちにいじめを奨励する、そして自らも徹底的にスティーヴィを無視したり貶めたりする担任の先生の仕打ちが本当にひどくて、読むのが辛くてしょうがなかった。 父親も、パソコンのことなどほとんど知らない上司に権利と時間を搾取され、家族との団欒など考えられないような生活を送らされる。 会社の誰をも全く信用できない中で、孤立無援の日々を送っている。 さて、日本ではあまりなじみがないが、スティーヴィの両親は敬虔なモルモン教徒である。 私も詳しくはよくわからないけれど、禁酒禁煙のストイックな生活を送る彼らは、独自の教会活動があり、スティーヴィの両親は熱心に教会活動に参加し、そのうえ善きモルモン教徒であろうと努力をする。 家庭を守り、他者に悪意を持たず、神の御心を疑うことなく過ごそうと努力するも、スティーヴィだけではなく、父(ステップ)の会社の人や、教会関係者たちの悪意に蝕まれていく彼ら家族の話は、細かな部分もしっかり描写されることによって、次のページが気になってしまうこと間違いない。 というか、消えた少年たちの話であると思うのだけど、ほぼほぼステップの会社の人たちの悪意ある嫌がらせに目が行ってしまって、最後の方になるまでスティーヴィを気にかけながらも、そこまで辛い目に合っていたとは想像していなかった。 善意の塊のような一家に一体何が起きるのか。 上巻だけでは全然わからない。 上巻が1冊にまとまった単行本で読めばよかったと後悔することしきり。 一体どういう結末が待ち受けているのか。 どうか哀しい話じゃありませんように。 スティーヴィの弟・4歳のロビーがまたいい子なのだ。 兄のことが大好きで、そのことをいつも大っぴらに表明し、まだ手のかかる妹(2歳のベッツィ)の面倒をよく見る、明るくて優しいいたずらっ子。 ロビーの存在が、この不穏な作品の中の希望の灯りなのだ。(私にとって) どうか最後まで、ロビーの笑顔が失われませんように。
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