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日中戦争見聞記 1939年のアジア 講談社学術文庫1608
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2003/08/10 |
JAN | 9784061596085 |
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日中戦争見聞記
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2003年(底本1990年、原著1940年)刊。 著者は独人ジャーナリスト。 日中戦争たけなわの1939年、著者が、日本→朝鮮半島→満州国、蒙古→民国(北京・上海・香港など)から国民党政府支配地域(重慶など)を歴訪した際の見聞記録である。 悪く言えば、事象の上澄み・表面を掬うだけで、旅行者の紀行文とも見紛う内容しかない。それは、例えば、ソ連の衛星国化したモンゴルの実に気付けず、当然、満州国の実も気付けなかったことに現れている。 しかし、良く言えば、ジャーナリスティクな現地踏破を心掛ける姿勢や、簡明かつ具体的叙述は買いだ。 このように長短あるものの、兎も角も、外国人の戦時下中国ほかの現地レポ自体は貴重である。これを上っ面であるとはいえ、捨て去ることはできまい。 殊に、日本軍による重慶爆撃最中の模様や爆撃後の現地の実像を、直接経験した者として叙述できる点。あるいは、ドイツ人らしい対英批判、具体的には上海租界や香港に対する植民地支配への批判は、なかなか類書を見ない。 まして、著者が15年ほど前に満州の一部を訪れており、その再訪した地域については、時代間の比較が可能になる。 これらの強みは他の著者では代替しにくいだろう。
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万里の長城の建造について数百万人が重労働のために倒れ、石の重さで圧死したことなどは決して重視されなかったと著者は述べ、最後に「そもそも中国で人間の生命が重視されたことがあっただろうか!」と締めくくっている。大戦後に起こった朝鮮戦争、文化大革命、毛沢東の失政による大飢饉、そして天安...
万里の長城の建造について数百万人が重労働のために倒れ、石の重さで圧死したことなどは決して重視されなかったと著者は述べ、最後に「そもそも中国で人間の生命が重視されたことがあっただろうか!」と締めくくっている。大戦後に起こった朝鮮戦争、文化大革命、毛沢東の失政による大飢饉、そして天安門事件で一体どれほどの中国人の命が消えていったことであろうか。また、それらの事実の多くは共産党によって後世の人々に知らされていないのだから、唯々唖然としてしまうしかないのだ。
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