200CD フォーク 伝説の名曲からJ-フォークまで

200CDフォーク編集委員会(編者)

• 販売会社／発売会社: 立風書房/
• 発売年月日: 2003/07/15
• JAN: 9784651820606

商品レビュー

2012/01/22

　本を買わずに図書館で借りることの良さは嫌いな（穏当に言い換えるなら見解が相違して自分と相容れない）人の著作も懐を痛めずにお試し出来ることではないだろうか。この編者が好きで連発する「生き様」というフレーズにサブイボ（語義通りネガティブなニュアンスで鳥肌）が立ちまくりつつ何とか最後まで読了。

GS以降のフォーク、ニューミュージック系のヒット曲が生まれるまでのエピソードはどれも貴重。レコード会社のスタッフのインタビューってなかなか表に出て来ないしね。

思わずアルフィーの「メリーアン」「星空のディスタンス」、葛木ユキ「ボヘミアン」をiTUNESで購入したり、手持ちのCDから寺尾聡をiPODに取り込んで久々に聴き直したりしてしまいました。

その点名曲ガイド本としての役目を充分果たしている。編者の語り口がアレでも紹介されているのは名曲ばかりだからね。しかし、J－フォークなんてカテゴリ作るんじゃねえよ。これで減点。当時はせいぜいフォークかニューミュージックとしか言わなかっただろうに。昔の名曲について知りたいと思ってこの本を手に取るであろう若い子に誤解させてどうする。

今のJポップの歌詞の大半はクリシェ（常套句）ばかりでｘｘだと常々思っている。去年の紅白なんかひどかった。何度「信じる」って連呼するのよ。桜田淳子「花占い」かよ！　ってすぐあの曲の冒頭の語りを思い出したなら中年以上だと思うが。「この花は私です」の「花物語」とは別です。

だが、この頃はまだ作詞家が分業制でいい仕事してたし、シンガーソングライターも「君と僕」以外のこと歌にしていたよなー。みゆきやユーミンや桑田さん等大物はデビューからダサい詞は書かずブレないが、少数派なんだよなあ。

2009/01/11

【目次】
　はじめに
第１章　フォークのカリスマたち
　高石友也／岡林信康／ザ・フォーク・クルセダーズ／高田渡／吉田拓郎／かぐや姫／泉谷しげる／友部正人／井上陽水／中島みゆき
第２章　フォーク名盤80選
　バラが咲いた／この広い野原いっぱい／高石友也フォーク・アルバム第1集／紀元貳阡年／ジャックスの世界／未完成／休みの国／一人ぼっちの詩／カルメン・マキ真夜中詩集／終り，はじまる／かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう／ぼくのそばにおいでよ／きよ子と愛とメルヘンと／高田渡／五つの赤い風船／niyago／浅川マキの世界／トワ・エ・モワ・イン・USA＆プラス／三上寛の世界／竹田の子守歌／ジローズ登場／ともだち／回帰線／ありがとう／GARO／風街ろまん／ごあいさつ／武蔵野タンポポ団の伝説／初期のRCサクセション／古井戸の世界／青い空の日／キングサーモンのいる島／きのうの思い出に別れをつげるんだもの／放送禁止歌／頭脳警察セカンド／春夏秋冬／魔法の黄色い靴／この暗い時期にも／君は英雄なんかじゃない／ディランにて／乙女の儚夢／み空／少女／猫／にんじん／氷の世界／アリスII／30歳／ダルシマ／葛飾にバッタを見た／望郷篇／やあ。／センチメンタル通り／ひこうき雲／かぐや姫さあど／仁義／わすれもの／BARBECUE／ふきのとう／とうきょう／あゝ！我が良き友よ／風／人類／三巴狂歌／懐かしいくらし／飛・び・ま・す／グッド・バイ／巡礼／夢の人／ワインの匂い／チャーリー・フロイドのように／遠い昔僕は…／FLAPPER／私の声が聞こえますか／ラブソングス／“生聞”59分！！／君のために作った歌／ねこの森には帰れない／ラビ なかのあなた／千羽鶴を口に咬えた日々／再会
第３章　フォーク・ミニ用語集
　カレッジ・フォーク／URC／ベルウッド／フォーライフ／アメリカン・フォークと日本のフォーク／ディランズ・チルドレン／フォーク・スポット／フォーク村／反戦歌／フォークと政治／放送禁止歌／シンガー・ソングライター／字余りソング／和訳カヴァー／歌謡フォーク／四畳半フォーク／アシッド・フォーク／フォーク・ロック／循環コード／コーラスワーク／ギタリスト／バックバンド／ブルースハープ／バンジョー／現代詩／アングラ演劇／中津川フォーク・ジャンボリー／春一番コンサート／ポプコン／フォークとパンク
第４章　名曲で綴るフォーク・ヒストリー
　ヨイトマケの歌／バラが咲いた／若者たち／旅人よ／この広い野原いっぱい／想い出の赤いヤッケ／小さな日記／イムジン河／友よ／風／白いブランコ／時には母のない子のように／遠い世界に／サルビアの花／自衛隊に入ろう／戦争を知らない子供たち／翼をください／あの素晴らしい愛をもう一度／教訓I／プカプカ みなみの不演不唱／虹と雪のバラード／出発の歌／結婚しようよ／黒の舟唄／ぼくの好きな先生／カレーライス／さなえちゃん／赤色エレジー／春夏秋冬／学生街の喫茶店／魔法の黄色い靴／傘がない／ジョニィへの伝言／神田川／襟裳岬／精霊流し／岬めぐり／22才の別れ／我が良き友よ／シクラメンのかほり／「いちご白書」をもう一度／今はもうだれも／なごり雪／時代／わかって下さい／酒と泪と男と女／旅立ち／順子／恋人よ／万里の河
第５章　Ｊ−フォークの時代へ
　新宿の片隅で／カバーズ／夏のぬけがら／絵／さんだる／ROTTEN HATS／SUPPER FOLK SONG／JAZZ，その他／「東京」／すきまから／多摩川レコード／豊田道倫／HOME／ブルースを発射させよう／らご／田辺マモルのヤングアメリカン／ゆず一家／歌は歌のないところから聴こえてくる／HALF／BREAKTIME／日本に来た外国詩…。／帰ろう／佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど／幾つになっても甘かあネェ！／近未来／あなたへ／大行脚／音タイム／七色／朝
特別鼎談　「歌」はどこへいった？（中川五郎×西岡たかし×早川義夫）

2003/06/01

「喫茶ロック」シリーズを作った後に声をかけてもらって、いくつか原稿を書かせていただきました。ここに書いた井上陽水論は、何人かの方からお褒めの言葉をいただいて嬉しかった記憶があります。