真田幸隆 「六連銭」の名家を築いた智将 PHP文庫

小川由秋(著者)

• 販売会社／発売会社: PHP研究所/
• 発売年月日: 2004/01/07
• JAN: 9784569661025

商品レビュー

2010/05/28

真田天下の兵として、…

[文庫ＯＦＦ]

真田天下の兵として、家康の心胆をさむからしめた名将真田幸村（信繁）の祖父幸隆の伝記。元海野姓であって信濃海野平に根をおろしていたが、村上氏や諏訪氏の勃興により滅ぶ。その後、武田信玄に招聘され、その知恵袋として武田家の隆盛を支えた。この仮定を文書に基づいて、忠実に書き下ろした。ただ、もう少し、武士の生き方に作者自身が共感し、その美しさと人間模様を展開して書いてほしかった。

2012/05/17

歴史小説と称ぶには　史実を基にした（と想われる）挿話に希薄過ぎ　時代小説と称ぶには　筆に芸術的色彩が単調過ぎる――のではあるが　幸隆公を表題に書物として著したという点で実に希有な一冊であり　それだけあれば　幸隆公を敬愛する身には充分な意義を獲得して　やはり本棚からは外せない。

2012/04/29

真田三代と呼ばれる一代目に当たる、真田幸隆が主人公。昌幸、幸村と比べると資料が少なく世間の認知度も低いが、真田氏の基礎を作った人物として外せない。
真田の庄から追われ思い悩む中で、己がどのように戦いどのように生きるかを見つけ、武田の将として生き真田の家と地を守っていこうとする、真っ直ぐな姿が書かれています。
妻の喜玖や、話の中で長谷寺の和尚となる晃運などは、見せ場は多くなくても印象に残りました。