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サラーム・パックス バグダッドからの日記
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ソニーマガジンズ/ |
発売年月日 | 2003/12/27 |
JAN | 9784789721646 |
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サラーム・パックス
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商品レビュー
3.5
10件のお客様レビュー
2003年、アメリカを主体とする同盟軍が、イラクへ侵攻しました。 大量破壊兵器を保有している。 サダム・フセインが独裁政治を行い、国民を苦しめている。 サダム・フセインがテロ組織アルカイダと通じている。 このような理由からです。 BBCが伝える戦争の映像は、夜に行き交う砲弾の...
2003年、アメリカを主体とする同盟軍が、イラクへ侵攻しました。 大量破壊兵器を保有している。 サダム・フセインが独裁政治を行い、国民を苦しめている。 サダム・フセインがテロ組織アルカイダと通じている。 このような理由からです。 BBCが伝える戦争の映像は、夜に行き交う砲弾の光と、サダム・フセインの銅像がイラク国民の手によってなぎ倒されるもの。でも、戦争が終わってみると、大量破壊兵器はなかったし、アルカイダと通じているという証拠も挙がりませんでした。 これが、日本に伝わってくるイラク戦争の顛末です。 しかし、サラーム・パックスというイラクの青年が、イラク国内からインターネットを介して、イラクの日々の生活をブログに綴っていました。 私たちが日本で見聞きしていたことは、すべてアメリカのフィルターを通したもの。 イラクの人びとが実際に見たものでもなく、イラクの人びとが実際に発した声でもありませんでした。 サダム・フセインの圧政からは解放されたかった。でも、その手段が戦争ではなかったし、その後の混乱も望んではいなかった。 ただ、一つだけ、矛盾を感じます。ならばどうしてイラク国民自らが立ち上がって、フセインを倒そうとしなかったのか?フセインがいなくなったときに、イスラムの宗派にとらわれずに、心を一つにして国を守り立てていこうとしないのか? 農耕民族でもなく、狩猟民族でもない。遊牧民族特有の、何もしなくてもなんとかなるさ…的なところがあるのではないでしょうか。 どうしてもそんな人任せな雰囲気を感じてしまうので、★☆☆☆☆
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2015/3/7読了。 中東情勢に疎い私には前半理解が出来なくてつらかったけど、後半からは臨場感あふれる文章に釘付けに。 テレビや新聞からは伝わってくることのない、現地に住む人の思い。 そうだよね、人間だもの。 こんなブログをつけ続けた彼は前駆者だと思う。
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- ネタバレ
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バグダッドのブロガー、サラーム・パックスによるブログ記事をまとめた本。2002年9月から2003年6月までの、アメリカのブッシュが「平和と民主主義のために」サダム・フセインを排除しようとした時期のイラクが描かれています。 サラーム・パックスは、自分たちに「自由」を与えてくれるというお題目のもとで母国に攻め込んでくるアメリカを礼賛せず、むしろ反発し余計なことはするなと明確に伝えています。「アメリカはイラクのためを思ってミサイルを撃ち込んでいる」と本気で信じてメールを送り付けてくる欧米人に対し、「イラクのことは自分たちで解決する。偽善的なお節介は止めてくれ」と辛辣に批判しています。 一方で、サダムの支配下にある母国がいい状態であるとも言っていません。当時のイラクに多くの問題があるということを、自由な意見を表明するリスクのある状態でよくぞここまで言えたものだと思います。 細かく書評を書くより、彼のブログ内での文章をいくつか抜き書きしたほうが、この本の意図はきちんと伝わる気がします。 「アメリカのイラク侵入は、最悪の映画をもっと悪趣味にリメイクしただけ」 (アメリカに黙認されているイスラエルの核兵器に対して)「イスラエルの備蓄核兵器の名前は、大量”愛と平和”兵器とでも言うのだろうか」 (人間の盾としてイラクに入り込んでくる偽善的な欧米人に対して)「ここに来てくれなんて誰も頼んでいない。助けてくれなんて言った覚えもない」「人間の盾なんて意味がない。小型発電機と浄水機を用意して国境で待っていてくれ。それこそ本当の支援だ」 「偉大なる解放者が他者を自由にするというくだりを一切受け入れる気はない。政治の世界に利他主義なんてものがあるとは思っていない」 「もしアメリカ政府がイラクと戦争をするなら、それは愛と平和のために戦ってくれるからだなんて思うほど、イラク人はお人よしじゃない。戦争の副産物としてでさえ、平和と自由がもたらされるとは思わないし」 「僕だって、ブッシュが魔笛を携え、その後ろに世界中の国がずらりと並んでいるのを、黙ってみていたいわけじゃない」 「「イラクの民主化を支援する」というのが、なぜ「イラクを爆撃する」ことになるんだ」 (バグダッドが爆撃を受けた後)「何週間か前、イラク人たちがただ普通に暮らし、パニックにも陥っていないという事実に、ジャーナリストたちは憤慨していた」 「イラク人は皆、アメリカ軍を歓迎すべきじゃないと感じている。アメリカ政府は、イラク政府と同じぐらい数々の罵声を浴びることだろう」 これだけの明晰かつ冷静な頭脳と判断力がある「サラーム・パックス」を、「抑圧されて遅れているはずのイラク人たち」の中には存在し得ない架空の人物と考え、見下していたのが当時の欧米諸国の反応だったようです。その「欧米諸国」に盲従し、偏った報道しか見ずに事実を掘り下げようとしなかった日本人も、同じ穴の狢と言えるでしょう。 偽善的、独善的な正義に毒されないよう、こういった本は読んでおくべきです。
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