横浜馬車道殺人事件 宮之原警部シリーズ フタバノベルス

木谷恭介(著者)

• 販売会社／発売会社: 双葉社/
• 発売年月日: 2003/05/05
• JAN: 9784575007237

商品レビュー

2005/04/22

木谷恭介の最新刊。
２月には出る筈だつたのに、ずいぶん遲れての刊行となつた。
木谷さんももう７５歳。
あとがきにも書いてをられるが、集中力がなくなつてきたとのこと。
そんなことをおつしやらず、これからもますます健筆をふるつていただきたいものだ。

さて、「宮之原警部シリーズ」としては９６作目となる本書であるが、相變らず宮之原警部はダンディーで、その上司にあたる小清水峽子警視正もますます魅力的な女性になつてきた。
今囘は警部の古巣、横濱が舞臺であるが、新キャラクタ「はんざき」刑事も登場する。
登場人物の魅力やその心の襞を描き出すことに於いては、木谷恭介の手腕は確かなものだ。
しかしながら、推理小説としては、本作に限つていへば、いささか龍頭蛇尾といつた觀がある。

次囘作は「天草御所浦殺人事件」でフグの養殖が題材だとのこと。
樂しみにしてゐる。

２００３年５月８日讀了