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統合失調症の臨床心理学 叢書 実証にもとづく臨床心理学1
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京大学出版会 |
発売年月日 | 2003/09/12 |
JAN | 9784130111133 |
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統合失調症の臨床心理学
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統合失調症の臨床心理学
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エビデンスベースドの観点から、統合失調症に対する様々なアプローチが紹介されている。統合失調症という一つの精神疾患を、これだけたくさんの角度からひも解くことができるのかとただただ感心した。量的研究を通して実証することの意義を強く感じられた。
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evidence-based(科学的根拠に基づいた)という考え方を日本の臨床心理学にもっと取り入れよう、という意図で編まれた画期的なシリーズの一冊目。ターゲットは統合失調症です。私が本書を手に入れたのは5年ほど前になりますが、改めて読んでもその新鮮さは少しも失われていないように感...
evidence-based(科学的根拠に基づいた)という考え方を日本の臨床心理学にもっと取り入れよう、という意図で編まれた画期的なシリーズの一冊目。ターゲットは統合失調症です。私が本書を手に入れたのは5年ほど前になりますが、改めて読んでもその新鮮さは少しも失われていないように感じられ、とても驚きました。 本書には全部で9つの研究報告とレビューが載っていますが、そのほとんどが量的分析を行ったものであり、それぞれがとても参考になります。特に2章の皿田氏の研究はSSTの重要性を再認識させてくれますし、5章の石垣氏の論文では妄想症状への認知行動療法という、日本では今でもなかなかなじみのないアプローチについて知ることができます。そして空井氏が執筆した6章は、「客観的検証に不向き」と常々指摘される投影法心理検査も量的分析の対象に充分なりうるということを示しており、非常に示唆的です。空井氏はこの中で、臨床心理学の研究で量的分析がなかなか進まないことへの痛烈な批判を引用していますが、氏の研究が30年前になされたという事実を考えれば、「その輝きを失っていないことは驚嘆に値する」(p.12)と評した丹野氏の意見にはただただ肯くばかりです。 読みながら私は、実習で精神科病院を訪ねた2度の体験を思い出しました。私は病院臨床に就くことはありませんでしたが(今後もその機会は限りなく少ないと思いますが)、臨床における量的研究の重要性を改めて学んだ思いです。evidence-basedの発信元である欧米の医学界では、その行き過ぎが批判されてやや下火になっているようですが、それでも「客観的な実証は実践に欠かせない」という認識は変わってはいないでしょう。。日本の臨床心理学にはこの考えをまだまだ浸透させる必要があると感じました。本書が出た時期の前後には、「エビデンス・ベースド」と冠した臨床心理学の専門書がいくつか出版され、学会でも統合失調症のアナログ研究(統合失調症の症状に類似しているが健常者が日常体験しているであろう「健康な」現象を研究する方法)が毎年のように報告されていました。現在では少し後退した感もありますが、まだまだ発展してほしい分野です。 本書を始めとしたこのシリーズはあくまで専門書なので一般の読者には敷居が高いかと思いますが、少なくとも臨床心理学を学んでいる学部生や院生には読んでほしいシリーズです。 (2006年以前入手・再読)
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