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ヒトは環境を壊す動物である ちくま新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房/ |
発売年月日 | 2004/01/10 |
JAN | 9784480061522 |
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ヒトは環境を壊す動物である
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
自然人類学、比較行動学の立場から見た地球環境問題の根源と今後。自然人類学では進化論、そして遺伝子などの最新知識を解り易く解説しており、何の本か?と思いたくなるほどの力説でしたが、要するに人間は本能の動物という主張?!そして「囚人のジレンマ」理論、「タカ・ハト」ゲーム理論、共同分配の進化ゲーム理論などの比較行動学の解りやすい考え方を紹介し、地球環境保護がやめたくてもやめられない、そこに人類全体の心の限界があることを説得力を持って指摘しています。しかし、言われなくても解っていること、ではどうするのか?という問題解決策の提示は著者も告白するように弱点です。「地球に優しい」というスローガンは嘘である、「人類に優しい」というべきだ、人類が滅びてもそれは人類に適応した環境が壊れるだけである、という逆説的・開き直り的な主張は確かにそうかも知れませんが、現実には他の動植物も不幸に巻き込まれているということを著者は無視しているのではないか、と思いました。
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著者は自然人類学の研究者。心の進化論、認知心理学、ゲーム理論などの観点から、道徳や倫理のメカニズムについて論じている。 生態学的に適切な集団のサイズとそのために必要な脳の大きさから、100〜150人程度の集団で考えた方が適切な認識ができるというのは興味深い。そうすると、地球規模...
著者は自然人類学の研究者。心の進化論、認知心理学、ゲーム理論などの観点から、道徳や倫理のメカニズムについて論じている。 生態学的に適切な集団のサイズとそのために必要な脳の大きさから、100〜150人程度の集団で考えた方が適切な認識ができるというのは興味深い。そうすると、地球規模の問題も細分化すればいいのかもしれない。その意味では、企業ごとに排出権を割り当てて取引を認めるキャップ&トレードは人間の行動メカニズムに適しているのかもしれない。 道徳や倫理をゲーム理論で説明できるという研究結果もおもしろい。進化論から考えても、最終的には個々人に有利になるメカニズムでなければ、成り立たないはずである。すると、人類が道徳や倫理という概念を持った理由(=必要性)はなにか?タカ派やエゴイストの存在に対処するためか?誰もが時に持ってしまうエゴの気持ちを抑制するためか? 本書では、人間が認識できる集団サイズを超えた問題には対処しにくいという人類の宿命を進化論の立場から説明しているだけで、地球環境問題への対応の仕方まではほとんど論じていない。ただ、道徳や倫理という、環境問題に取り組むための足がかりについて科学的に考えなおすには役立った。 ・脳は体全体のエネルギーの16%を消費する。大きな脳を維持するために得た食物として、屍肉のほか、イモ掘り説が注目されている。 ・群れることによって捕食される確率が低下するが、食物の取り分が減る。その損得が釣り合うところで集団サイズが決まる。群れが大きいほど脳の相対的なサイズが大きい。 ・問題となる集団サイズを大きくすると、判断にフレーミング効果が現れる。考えるサイズを小さくすることによって、わかりやすくなる。 ・道徳は、ゲーム理論における進化的に安定な戦略(ESS)のようなもの。
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[ 内容 ] エアコンを使えば温暖化を招く。 洗剤を使えば河川の富栄養化が起こる。 肉食はエネルギー的にムダの多い贅沢だ。 わかっちゃいるけど、やめられない。 かくして環境破壊は、今世紀最大の問題のひとつになった。 なぜ私たちは「わかっちゃいるけどやめられない」のだろうか。 本書...
[ 内容 ] エアコンを使えば温暖化を招く。 洗剤を使えば河川の富栄養化が起こる。 肉食はエネルギー的にムダの多い贅沢だ。 わかっちゃいるけど、やめられない。 かくして環境破壊は、今世紀最大の問題のひとつになった。 なぜ私たちは「わかっちゃいるけどやめられない」のだろうか。 本書では、進化心理学の立場から、ヒトの認知能力と環境との関わりを検証し、環境破壊は人間の「心の限界」がもたらしたものという視点を提示する。 生物学からみた、まったく新しい環境問題の書。 [ 目次 ] 第1章 「環境」とは何か 第2章 人間はどのような動物か 第3章 心の進化 第4章 環境の認知 第5章 公共財を巡って 第6章 進化と環境倫理 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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