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丸山真男の思想世界
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2003/03/20 |
JAN | 9784622070337 |
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丸山真男の思想世界
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丸山真男の複合的思考のあり方を考察している。 第1部は、「生」と「形式」の両極のせめぎ合いに強い関心を寄せる丸山の姿を明らかにする。 第2部が本書の中心で、丸山の「政治主体」についての考え方に焦点が当てられる。丸山は、個人と国家の両極分解を退け、両者の内在的媒介を説いたと著者...
丸山真男の複合的思考のあり方を考察している。 第1部は、「生」と「形式」の両極のせめぎ合いに強い関心を寄せる丸山の姿を明らかにする。 第2部が本書の中心で、丸山の「政治主体」についての考え方に焦点が当てられる。丸山は、個人と国家の両極分解を退け、両者の内在的媒介を説いたと著者は言う。『日本政治思想史研究』で、丸山は荻生徂徠の近代性を高く評価した。だが、戦後に入って人びとが国家から切り離され「私化」される状況の中で、丸山は徂徠に対する否定的な評価を押し出している。徂徠は、儒教規範は人間の内面性と関わりを持たないと論じた。この見解を引き継いで、内面的信条の不可侵性を説いたのが、本居宣長だった。こうして、徂徠の立場は宣長の非政治性に直結していると評価されることになる。 さらに『日本の思想』では、この国では制度が既製品として導入され、下からの不断の働きかけを受けることがなかったため、理論信仰、概念の物神化、訓詁注釈学に陥りがちとなることが明らかにされた。丸山は、こうした状況を批判しつつ、普遍的価値の担い手としての内面的に自立した政治主体が形成されなければならないと主張したのである。 また著者は、こうした丸山の姿勢が、福沢諭吉の姿勢と深く通じ合うことを認めながらも、丸山が福沢のオプティミズムとはギリギリのところで折り合わないだろうと主張している。絶望的状況の中で自己を見据え、生命の働きとともに再出発する主体こそが、「生」に一方の軸足を置く丸山にふさわしいと著者は論じている。 次に、「忠誠と反逆」以降、武士のエートスや自主的小集団を高く評価する丸山の思想が考察される。ここでの丸山は単純な近代主義者ではない。丸山は、近代精神が前近代に由来するエートスによってどのように支えられていたのか、また、このエートスの喪失が近代精神にどのような変容をもたらしたのかを考察することで、古い精神構造に内在している新たな可能性を捉えなおそうとしている。
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