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音楽学を学ぶ人のために
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 世界思想社 |
発売年月日 | 2004/01/10 |
JAN | 9784790710332 |
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音楽学を学ぶ人のために
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商品レビュー
3
3件のお客様レビュー
もちろん「音楽学」を志したいと思う初心の人が読むもの。多少の難解さは論文のネタ探しをしようと思う者なら仕方がない。 網羅的であることは、自分が今後どのような視座をもってミクロ的研究に従事するのか参考とするためには必要なことだ。あくまでもテキスト。
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最新の音楽学の表層をさらっとわかりやすく纏めた入門書かと思いきや、現役の人文系音楽学教授たちの論文集。一応はカテゴライズがされているが、各自の研究を「本にまとめて出版できるとのことなので、学会で発表する論文を専門外の人でも読めるよう調整しといて下さい」といった具合にまとめた感じが...
最新の音楽学の表層をさらっとわかりやすく纏めた入門書かと思いきや、現役の人文系音楽学教授たちの論文集。一応はカテゴライズがされているが、各自の研究を「本にまとめて出版できるとのことなので、学会で発表する論文を専門外の人でも読めるよう調整しといて下さい」といった具合にまとめた感じがする。なので読み終わった後に一冊通して音楽学を学んだという気分にはあまりなれない。 読み易さも論文により差がある。「お、この論文は読みやすい文体だな」と思って著者をみると岡田暁生や伊東信夫だったので納得した。前者は『西洋音楽史-クラシックの黄昏-』後者は『バルトーク』と、共に読みやすい新書を書いている学者である(この二冊は文句無く面白かった) 最後の論考「《春の海》はなぜ日本的なのか?」は読みやすく面白かったが、音楽学というより社会学の方面から書いてるがゆえだと思う。音楽理論的には西洋音楽の技法によって作られた歴史的にも新しい作品だというのに、さも日本の古き心、遺伝子に響くというような「錯覚」があるのはという「作られた歴史」を解き明かすのは社会学ではスタンダードな方法論である(演歌や盆踊りも歴史的には新しく、さも江戸以前から普及していたかのような顔をしてるといった論は結構ある) つまるところ、やはり「研究」というのは読むのが大変なのだと思わざる得ない。批評ならば知らなくとも読める何かしらの面白みがあるのだけども、解釈を極力排して資料を集めることが研究の仕事なのだから仕方が無い。それにしても「考古学」によりすぎてるとは思うが。
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「音楽学を学ぶ人のために」根岸一美/三浦信一郎[編] 世界思想社 複数の著者による論考集といった体裁で、音楽理論というよりは一般教養としての社会学的な考察が中心。 ところで、こうした社会学的な論考というのは、読んでうんざりする内容のものが少なくない。 例えば、専門用語を積み重ね...
「音楽学を学ぶ人のために」根岸一美/三浦信一郎[編] 世界思想社 複数の著者による論考集といった体裁で、音楽理論というよりは一般教養としての社会学的な考察が中心。 ところで、こうした社会学的な論考というのは、読んでうんざりする内容のものが少なくない。 例えば、専門用語を積み重ね、それを知らない人は置いてけぼりだけど、知ってる人には自明であろう事柄を延々書き延ばしてたものだったり。 既存の用語で説明しうる概念に、耳障りの良い新語を与えて、その解説に終始していたり。 自然科学と違い、新発見だとか実証的なデータの積み重ねとかが成り立たない中で商売をやっていくにはそれも致し方ないことなんだろうか。 で、大半はざっくりと読み飛ばしてしまったのだけど、最後の章の「《春の海》はなぜ「日本的」なのか」という論考は面白かった。 作曲された当時、「春の海」は西洋的でドビュッシー風な新奇の曲と認識されていたらしい。 事実、1931年に仏のルネ・シュメーがヴァイオリンのアレンジを演奏会で発表した時には、これこそが楽曲本来の持ち味を生かした演奏と評価されたらしい。 (実際のところ、第一部分の牧歌的なメロディは非常に尺八的だけど、第二部分における高音の断片的な鋭いパッセージは尺八的ではないし、作者も挑戦的なパートとして書いたのだと思う) それが如何にして、非常に「日本的な楽曲」と認知されるに至ったか。本項ではそれを「勝利者史観」、「文化本質主義」、「西洋中心主義」という三つの視点から解説していく。 そもそもの「春の海」は明治維新以降の雑種文化から生じたものであり、「日本的」という評価は戦後の反動的な純粋志向やフジヤマ・ゲイシャ的な逆輸入的日本観の中で醸成されたものだ。 そのように、文化とは社会によってダイナミックに変化していくものであり、何が「日本的」かの前提を決め付けた議論は、学問ではなく宗教やイディオムの議論に過ぎない。 音楽を社会学として扱う事の難しさがそこにある。
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