東京から日本経済は走り出した

財部誠一(著者)

• 販売会社／発売会社: 講談社/
• 発売年月日: 2003/11/25
• JAN: 9784062121026

商品レビュー

2008/11/25

　以前、とあるフォーラムに参加したとき、鋭い切り口で様々な議題を切り崩す財部誠一氏を見て、彼の著書を読んでみたいという衝動に駆られ本書を手に取った。

　一学生である僕にとっては、就職活動で初めて見たと言っても過言ではないような、丸ノ内や六本木などの超高級住宅街、高層ビル群。
　六本木ヒルズの再開発プロジェクトなどはとても新鮮に映っていた。
　そんなわけで、本書内にある森ビルが六本木ヒルズを立ち上げるまでに至るエピソードなど随所で見られる挿話は面白い。なるほど、そういう背景でこんなスゴイ代物があるのかと。
　品川の再開発プロジェクトの話もあった。交通の便がよい、立地が良い。少し手を加えただけで工場跡だった空き地が都市として自己変革した例だ。
　外資の参入もすごいらしい。ルイ・ヴィトンやらシャネルやら。銀座や六本木は外資にとってとても魅力的な投資対象と考えられている。

　要するに、財部氏の言いたいことを簡単にまとめると「東京はすごい勢いで成長している」ということなのだろう。日本は大不況だ、なんだと言う人が多いけど、東京を見れば日本は捨てたもんじゃないって思えてくるでしょって。日本を成長させるには日本の玄関である東京をもっともっと活性化させましょう。そんな話。

　独自の視点で東京から日本の経済問題を捉えている部分は視点を変える意味で読みがいはある。でも、彼の好きな東京グルメの話にところどころで脱線するのはどうかと思う。
　東京に勤めることになったら、数年後にもう一度読んでみようかな。東京の経済事情を知る上では良し。ただし、読み手を選ぶ一冊です。