耳飾り(5) コーネル・ウールリッチ傑作短篇集 コーネル・ウールリッチ傑作短篇集5

コーネル・ウールリッチ(著者), 門野集(訳者)

• 内容紹介: 内容:耳飾り. 射撃の名人. 妄執の影. 間奏曲. 女優の夫. 選ばれた数字. 復讐者. パルプマガジン作家
• 販売会社／発売会社: 白亜書房
• 発売年月日: 2003/06/20
• JAN: 9784891726713

商品レビュー

2021/09/23

1943年以降の作品。「耳飾り」「妄執の影」は夫婦の思惑違いの物語。「選ばれた数字」なんとも不気味な作品。

「耳飾り The Death Stone」(フリンズ・ディテクティヴ・フィクション1943.2月号）
結婚する前の手紙があると脅された妻。夫に内緒で片をつけにその男の所に行ったが自宅に戻ると耳飾りの一方が無くなっているのに気づき、またその男の元へ戻ると男は死んでいた・・　

「射撃の名人 Picture Frame」（ブラック・マスク1944.7月号）
詐欺を繰り返している男が助けてくれと刑事の元を訪ねた。実は召集された夫の腕を撃ってくれ、とさる女優に頼まれ実行したが、夫は死んでしまったというのだ。警察が調べだすと、女優は男に脅されたのだ、という。実はもう一人・・　射撃の真相と、さらに召集令状のオチがつく。

「妄執の影 Silent As the Grave」（ミステリ・マガジンブック1945.11月号）
とても幸せな新婚夫婦。男はまだつかまっていない殺人歴があったのだが、そんな告白にも新婚の幸せが勝った。が、ある日近場で殺人があり、その時間夫がいなかったことに妻は気づく。妻の妄執はつのり・・

「間奏曲 Death Between Dances」（シャドウ・ミステリ・マガジン1947.12月～1948.1月号）
ダンスパーディをぬけだし目当ての男と小屋で逢い引きをしようとした娘。着くと男は死んでいた。そこにはハンカチが落ちていたが・・

「女優の夫 Husband」（短編集「The Blue Ribbon」リッピンコット社1949刊）
有名な女優に無名の夫。ある日女優は顔面に傷を負う。

「選ばれた数字 The Number's Up」（短編集「Beyond the Night」エイヴォン社1959刊）
連れ去られた若い二人がかわいそうだ。ウールリッチは若い恋人同士にはやさしいまなざしがあった気がするのだが・・

「復讐者　The Clean Fight」（短編集「The Dark Side of Love」ウォーカー社1965年刊）
ある犯罪者を追ってホテルにこもる元刑事。元部下はあくまでも元刑事に忠実に・・
訳者は解説で、この65年ころになると明らかに精神のバランスを崩していて、そのこわれた部分が作品に現われていると書いている。

「パルプマガジン作家 The Penny-a-Worder」（エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン1958.9月号）
ホテルに缶詰めになって明日までに短編を書くことになった売れっ子作家。タイプをうち、約束どおり書きあげたが・・　　作家が抱いていた恐れを描いたものかも。

2003.6.20第１刷　図書館