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新編 愛情はふる星のごとく 岩波現代文庫 社会76
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/ |
発売年月日 | 2003/04/16 |
JAN | 9784006030766 |
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新編 愛情はふる星のごとく
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商品レビュー
4.1
7件のお客様レビュー
終戦まで生き延びていれば、と思わずにいられない。 「私は人類の不幸を少くするためには、三つの課題があると 一つは無智を撲滅すること、二つには病気をやっつけること、第三には貧乏を社会からとりのぞくこと だと思います。」
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日本史上最大のスパイ事件とも形容されるゾルゲ事件に連座し、逮捕・ 投獄された尾崎秀美。新聞記者であり、評論家であり、近衛政権では ブレーンでもあった尾崎。 彼が獄中から妻・英子と一人娘・楊子へ宛てて書き綴った手紙を収録し たのが本書である。 日本を共産主義者へ売ろう...
日本史上最大のスパイ事件とも形容されるゾルゲ事件に連座し、逮捕・ 投獄された尾崎秀美。新聞記者であり、評論家であり、近衛政権では ブレーンでもあった尾崎。 彼が獄中から妻・英子と一人娘・楊子へ宛てて書き綴った手紙を収録し たのが本書である。 日本を共産主義者へ売ろうとした男。共産主義者のスパイが裏の顔で あるのなら、表は夫として、父としての顔だろう。 逮捕されるまで、尾崎は自身の使命を家族にも秘していた。だから余計 に自身が逮捕された後の母娘の生活を気遣っている。 日々苦しくなるであろう戦時下の暮らしにどう対処するか。疎開をするな らどこが適当か。処分する家財とその方法など、事細かに綴っている。 治安維持法の下での逮捕・投獄だ。獄中から出される手紙には当然の ように検閲があったろう。だから、自身の罪についての詳細は記されて いない。 毎回のように書かれているのは読んだ本のこと、食べ物のこと、きっと こういう話であれば、当たり障りがなかったのだろうな。 そして、13歳で別れを余儀なくされた一人娘・楊子の学業へのアドバイス と、楊子が尾崎へ送った手紙やはがきの誤字・脱字の指摘。これもまた、 父親としての愛情の表れなのだろう。 「死をもって国民に詫びよ」 死刑判決を言い渡した裁判長は、尾崎にそう言った。刑が執行されたの は昭和19年11月7日。その朝、尾崎が綴ったはがきは、彼の死後2~3日 後に英子夫人の元に届けられた。 この獄中書簡集を読んで驚く。尾崎の広範な知識と、分析能力の高さに だ。ゾルゲ事件が露見するまでにも尾崎の評論は高い評価を受けてい た。もし、違う時代に生まれていたらスパイとしてではなく、学者か評論 家として歴史に名を留めていたかもしれない。 敗戦まで、尾崎を生かしておくことは出来なかったのだろうな。生きていた のなら、戦後、彼はどんな道を歩んだのだろう。
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ゾルゲ事件に連座して逮捕、処刑された尾崎秀実の獄中書簡集。手紙に書かれた家族に対する、細かい助言から、彼の家族に対する愛情が浮かび上がってくる。 また、本の差し入れの依頼が、細かく書いてあるので、当時の知識人が、読んでいた本がわかって興味深い。
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