最後の一句・山椒大夫ほか 読んでおきたい日本の名作森鴎外 1

森鴎外(著者)

• 内容紹介: 内容:最後の一句. 寒山拾得. 山椒太夫. 高瀬舟. 阿部一族. 解説 大塚美保著. エッセイ:森鴎外の固さと静けさと豊穣さ 中沢けい著
• 販売会社／発売会社: 教育出版/
• 発売年月日: 2003/07/05
• JAN: 9784316800264

商品レビュー

2015/01/30

冤罪をかけられた父を助けるために、娘は考えた。子供の命を差し出せば、情をかけてもらえ、父は助かるのではないか。その発想ができる聡明さに驚いた。役人との交渉の場で、娘は鋭い眼差しを男達に向ける。その恐ろしさを彼らは頭では理解できなかった。しかし、直感でなにか感じるものはあった。そして、父親を釈放し、娘を死罪にかけた。
当時の時代背景は、男尊女卑だ。その常識があったため、娘がどのような覚悟と考えで動いているのか想像すらできなかった。しかし、それは今の時代にも当てはまることだろう。女は恐ろしい。男が知らず知らずに横着しているところを、よく見抜いている。
そして、女は情報をもっている。男性社会で生きのびるための、インテリジェンスが豊富にある。ダメな男が生きのびるためには、とにかく行動し、情報量を高めなければいけない。頭で考える能力がないのであれば、行動するしかない。